「コモディティ」と「マネー」 | きなこのブログ

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日本を明るい未来へ…

金は、人類の歴史を通して長い間、そのままお金(通貨)として通用していた。


あるいは、お金と同価値を持つものとされてきた。


金は今ではお金(通貨)そのものではない。


あくまで鉱物の一種だ。


鉱物資源のことを「商品」(コモディティ)という。


コモディティは「基本物資」という意味である。


ふつうの商品のことではなくて、商品先物業者が扱う基本物資、鉱物のことである。


人間にとっての生活基本物資や、工業生産用の原材料や、農産物のことを指す。


かつては金が人類の価値の基準であった。


だから「金本位制」と呼ばれる制度があった。


その制度が廃止されたのは1914年のことだから、まだ100年もたっていない。


なぜ、金だけがこのような特異な地位を持ったのか。


それは金が持つ希少価値と、美しい輝き、それに金がどのような化学反応によっても、変質したり磨滅したり品質劣化することがないという強い性質による。


だから人類は「金を人工的につくりあげることができれば大金持ちになれる」と考えた。


こうしてヨーロッパでは、古代ギリシャの時代から数千年にわたって、それこそアイザック・ニュートンのような高名な学者から一介の山師までが、文字どおり血みどろになって「金を合成する」ことに熱中した。


それがいわゆる「錬金術」である。


結局、金はいかなる化学合成によっても生み出せないということが証明された。


そして「錬金術」は幕を閉じた。


現在、私たちが享受している重大な科学的成果の多くは、 「錬金術」から発見されたものなのである。


金は世界中どこへ持って行っても交換できる。


だから、世界経済の動きを正確に把握するには、金の値段が格好の基準となる。


「コモディティ」と「マネー」の二重の側面があると言われ、他のコモディティとは異なる。


マネーそのものとして上積みされ、その上積み分は、第二次世界大戦後基軸通貨となった米ドルの価値によって左右されることになった。


ドル価値が低迷している時ほど、価値が上がり、ドル価値が高くなると、金は当然安くなる。


金の歴史は、世界支配の歴史である。


金を持つ者が世界を支配した。


19世紀までは金が世界支配の印であった。


17世紀末以来、欧州ロスチャイルド家は、ヨーロッパの金融と財務を担当するユダヤ系貴族である。


ロスチャイルド家は一貫して金本位制にこだわってきた。


それに対して、アメリカのロックフェラー家は、石油を中心にのし上がってきた。


1914年にロスチャイルド(大英帝国)はロックフェラー(アメリカ帝国)に敗れた。


この時、金本位制が崩れた。


そして第二次世界大戦後は、基軸通貨が、英国ポンドから米ドルへと移行した。


以来、じりじりとロスチャイルド家は劣勢に追いやられた。


だから今も、世界はロスチャイルドとロックフェラーの闘いが続いているのである。


1944年7月の「ブレトンウッズ会議」で、IMF世界銀行の設立による次の世界体制ができあがった。


当然、アメリカ(ロックフェラー家)が主導した。


この時「金1オンス(31.1035グラム)は米ドル紙幣の35ドルと等しい」と決められたのである。


この時、米ドルだけが唯一の金兌換通貨となった。


他の国の政府は、世界銀行に口座を持つことで、「要求すれば保有するドル紙幣を金に必ず交換してくれる」という約束である。

これが金ドル体制(IMF=世銀体制)である。


しかしこの体制も、ほころびはじめた。


アメリカ黄金時代は1960年代までだった。


アメリカの金保有量が次第に低下していったのである。


1971年8月15日、アメリカは「金とドルとの兌換の停止」を電撃発表した。


「ニクソン・ショック(ドル・ショック)」である。


そのあと、どうなったか。


アメリカはドルの価値を金ではなく、石油で裏打ちするようにしたのだ。


これが米ロックフェラー石油財閥による世界支配の継続である。


これを修正IMF体制」=「ロックフェラー・ドル石油体制と私的に呼ぶ。


ドル紙幣(紙切れ)をあまりに大量に刷り散らかして市中に流せば、通貨体制は一時的にせよ崩壊する。


今のアメリカ政府はこれをやろうとしている。(やっている)


それに対して欧州ロスチャイルド家は、価値の基準としての金の延べ棒や、金貨の重要性を今も身にしみて知っている。だから金を大切にする。


それに対して、アメリカの田舎石油資本の出身で、ニューヨークの金融街に進出したロックフェラー家は、資産価値の基準としての金の力を逆に低く見すぎてきた。


その報いが、アメリカ発の金融恐慌として現れたのだ。


世界は2008年8月からアメリカ発の金融恐慌に突入した。


ニューヨークの金融ユダヤ人たちが創り出した途方もない金融バクチの化けの皮がとうとう剥がれた。


ペパーマネー(通貨、債権、株式その他)は信用力を大きく失って大暴落し続けている。


膨張させすぎた金融派生商品(クレジット・デリバティブ)が大爆発を繰り返している。


その哀れで恐ろしい末路を今、目撃しているのである。


偉大なる一般庶民は金融バクチなどには手を出さない。


投資や投機などやるものではない。


株やFX(外国為替証拠金取引)で失敗するのは本人の責任だ。


株屋(証券会社)や業者に騙されたのだから仕方がない。


時代は「ペーパー・マネーから実物経済(タンジブル・エコノミー)へ」になったのである。



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