『休日はコーヒーショップで謎解きを』


アマゾンのコメントって、かなり的確やなと思った短編集。

日本語の「謎解き」という言葉のニュアンスと違う短編が多くて、しばらく読み進めてなかった本。

いろんな種類の話が載ってるので、面白いと言えば面白いけど、サクッと爽やか謎解き集でなかったのが残念でした。

ただ、各話の後書きで、各作者が「この短編は、○○マガジンの●号に掲載され〜」と言う感じで作られた経緯みたいなことを語ってくれて、突然、作者が現れて、近づいてくる感じがなんか海外っぽくて好き。(日本の後書きとか解説って、それぞれ、個別に作業してますって感じやん?)

個人的にはピザ屋の話と孤児列車の話が印象に残ったな。(そこまで謎解き的ではないのだけど)


『追想五断章』米澤穂信


考えたら、米澤穂信も結構読んできた。

直木賞を『王とサーカス』で受賞したので、寄席のまくらで敢えて出すのだけど、東野圭吾の方がお客さんの反応はあるのよね…。不思議。

てっきり『本と鍵の季節』のシリーズなのかと思ったら、全然違った。

父親の書いた短編小説を探しに古本屋にやってくる娘と、その小説を探す青年の話。

雰囲気的には『ボトルネック』とか『儚い羊たちの祝宴』に近い。全編に鬱屈した空気が漂う。

ただ、父親が書いたとされる短編小説が、教科書で見た文学作品のようで、妙に惹かれる。

『夏の葬列』とか『山月記』とか。

自分から読まへんもんなー。ああ言う話。だからこそ、思ってもみない展開で衝撃を受けるんやけど。

全体的なオチも「イヤミス」的なオチで、嫌な気分を味わえる。

古典部とか小市民シリーズがアニメ化されたり、映像化されたりしてるけど、米澤穂信は、これが真骨頂ではないかと勝手に思っている。好き。


そして、小市民シリーズの最新刊を買いに行って、すでに持ってるやつを買ってしまった金曜日。

無事に返品していただけ、新刊を手に入れることができてよかったです。

(多分、返品だけはNGで、それ以上の金額の本を代わりに購入するのが条件だと思うが)


関係ないけど、私は、地下鉄西梅田駅近くの清風堂書店が好きです。


そういえば、こないだ、落語をやらせていただいた喫茶イーグルさんも面白そうな本がたくさん並んでましたよチュー