すっかり春めいてきましたので
カラフルな花々でガーデニングを楽しんでます \( ̄∇ ̄*)/






さて アメリカ女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが 去る3月24日、
卵巣と卵管を摘出する手術を受けたことを ニューヨークタイムズで明らかにしました。
がんの兆候となりうる 炎症値の上昇(マーカーの上昇と思われる)がわかっての手術だったそうで、
生命の危機を感じての、急遽の選択だったことがうかがわれます。



アンジーと同じBRCA1遺伝子に変異を持っている私にとって、
このニュースの一報を 複雑な思いで受け止めたのですが、
「卵巣がん」が いかに厳しく恐ろしい病であるかを 痛切に感じている一人として
この「卵巣・卵管の予防切除手術」は、
アンジーらしいクレヴァーな選択だったと
エールを送りたいと思います。


。.:*:・'°☆.:*:・'°☆


アンジーが2013年、乳がんの予防のために両側乳房切除手術を受けたことは、
センセーショナルなニュースとして大きく取り上げられましたが、
このときの決断は、遺伝子検査で乳がんになる確率が一生のうち87%になるという事実が分かっての手術でした。
87%!本当にびっくりの高さですよね。



またこのBRCA1の遺伝子変異は乳がんだけではなく、
50%(←55%という説もある)の確率で、卵巣がんを発症させる要因にもなっているので、
養子を含む6人の子どもの母親である彼女は、子供達の未来の為にも、
いつかはこの手術を受けようと計画していたそうです。



やはり卵巣がんに罹患する確率が50%になるという数字と、
もし卵巣がんを罹患した場合は、死亡率が約50%にも及ぶという、厳しい数字を鑑みれば、
今回の手術のタイミングは、39歳のアンジーにとってベストだったのでしょうね。
40歳を過ぎると、卵巣がんになる確率はぐんと上がると言われてますし。。。



。.:*:・'°☆.:*:・'°☆



アンジーはこのように綴ってます。

「この手術(卵巣・卵管予防切除)は乳房切除手術ほど複雑ではありませんが、
女性を強制的に閉経させてしまいますから
影響はより重大です。
ですから私自身、心と体の準備をしてきましたし、医師と選択肢について話し合ってきました。
代替医療のことも調べました。
エストロゲンやプロゲステロンの補充に備え、ホルモンの計測もしていました。
ですが決断までにはまだ月日があるだろうと思っていたのです・・・」




この記述のとおり、アンジーは卵巣摘出を視野に入れて頻繁な検査を受けながら、
卵巣がん罹患率50%を回避するため、ベストな方法を探ってきたようですが、
2週間前、検査で炎症度が高まっていることが分かり、医師と話あいのすえ 急遽手術を決断したそうです。
(↑記述されてませんでしたが、炎症度の検査とはおそらく卵巣マーカーCA125や、
その他の最新画像検査だと思われます)



夫で俳優のブラッド・ピットは、その時フランスにいたそうですが、
手術に付き添うため飛行機で駆けつけたそう。
手術名は、腹腔鏡下両側卵管卵巣摘除術。
いわゆる腹腔鏡手術です。




ちなみにアンジーは腹腔鏡で手術したので、乳房切除より複雑ではないと記述してますが、
実際に卵巣がんまで発展してしまうと、リンパ切除などを伴った開腹手術になり、
かなり複雑なものとなってしまいます。
術後のリンパ浮腫など 後遺症の問題もかなり深刻です。



腹腔鏡で手術したアンジーは、結局は卵巣の1つから小さな良性腫瘍が見つかり、
どの組織にもがんの兆候は無かったそうで
す。
良性だったことで「摘出する意味があったのか?」という議論がおきそうですが、
良性だったことは彼女にとって幸いだったのではないでしょうか。



なぜならもしも癌細胞が見つかれば、再発予防措置で抗がん剤治療という選択があったかもしれません。
女優という職業ですと、抗がん剤治療による脱毛は、かなりきついでしょうから。。。




またアンジーは手記の中で、
この遺伝子をかかえる女性には、別の選択肢があるとも綴っています。



「私にはBRCA1の遺伝子突然変異があります。
しかし、それだけを理由に手術を決めたのではありません。
私以外の女性の方に聞いてほしい。
BRCA検査が陽性だからといって、即手術というわけではないのです。



私はたくさんの医師や、外科医や、自然療法家と話をしました。
他にも選択肢はあります。
経口避妊薬を服用する方もいれば(※)
代替医療に頼ったり、頻繁に検査を受ける方もいます。
(※経口避妊薬を服用すると卵巣がんリスクが下がるというエビデンスがある)




どんな健康問題に関しても、対策は1つではありません。
1番大切なことは 様々な選択肢について知り、その中から自分に合ったものを選ぶことなのです。



このような選択をするのは、簡単なことではありません。
ですがどのような健康問題でも、それをコントロールし正面から立ち向かうことはできます。



アドヴァイスを求め
選択肢を知り
自分にあった選択をする。
それは誰にでもできること。
知識は力なのです







なんと力強い言葉でしょうか!
"知識とアドバイスと選択肢" これをもってして
はじめて病と戦う礎(いしずえ)ができ 決断する勇気が生まれるのです!




私はこの知識がなかったがため、卵巣がんという病気を回避することができませんでした。
ですから自分がBRCA1異常の遺伝性の卵巣がんであるとわかったとき、
今さらなのに、悔やんで悔やんで悔やみまくりましたね。
お恥ずかしながら精神科を受診するほど心乱れました。(´;ω;`)



もしアンジーのように危機感を持っていれば、予防切除手術を受ける事ができたのに。。。
そう思えば思うほど、余計に自己嫌悪を募らせていったのであります。



でも今では、この経験がもしかしたら誰かの役に立つかもしれないと、
ポジティブな方向にベクトルを変換できるようになっています。( ̄∇ ̄*)ゞ



例えばアンジーのニュースを聞いた誰かが(または私の拙いブログを読んで下さった誰かが)
小さな危機意識から発展して、専門家のアドバイスを受けてくれるかもしれない!
もしかしたら遺伝子検査を受けてくれるかもしれない!
そして尊い命が途切れることを回避できるかもしれない! .:(*´ω`*).:*




このような考え方に変換することができるようになったのは、
今も変わることなく受け入れてくれる古い友人たちと、
的確なアドバイスを頂ける素晴らしき医師との出会いと、
同じ病を戦う仲間たちとの交流があったからこそ!
そして時の流れも心を癒してくれる一因となってると思います。




そんなこんなで。。。
私の家系が経験してきたようなHBOC(遺伝性乳ガン卵巣がん症候群)の
"悲しい負の連鎖"を 止められる日が来ることを願いつつ
50%の希望と 50%の後悔を胸に、今回のアンジーのニュースを聞いたのでした。





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HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)は
今では予防することが可能です。
卵巣がんや乳がんに罹患することなく
回避する選択肢が 必ず必ずあります。

ご心配な方は
信頼できる 婦人科腫瘍専門医や
乳腺外科医のアドバイス、
あるいは遺伝子外来への受診を!
(*´ω`*)







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