【遺伝子検査の費用について】

「遺伝子検査を受けてみたいのだけど、費用が高そうで…。」
そんな声を最近よく聞きます。
そうなのです。遺伝子検査は残念ながら自由診療となるので、
目ん玉が飛び出るくらいお高いのが現実です。(;´ω`)=з



【フルシークエンス検査】

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)になる要因として、
BRCA1と、BRCA2という2種類の“がん抑制遺伝子”が関係していますが、
この遺伝子に病的変異があるかなしかを調べる方法が「遺伝子検査」です。


具体的には、血液から取り出したDNAを材料に、
BRCA遺伝子を試験管の中で増やし、
約1万7千ものDNA(塩基)の配列を調べていきます。
これをフルシークエンス検査といい、
自費検査費用として、22万8千円もの費用が必要となります。


この費用は医療機関により異なりますが、
検査機関(ファルコバイオシステムズ)は、たぶんひとつなので、
どこで受けられても、あまり大差ないと思われます



【Nーセット検査】

この高額な費用が、遺伝子検査を躊躇させる原因になるとして、
“遺伝子検査の簡略方の研究”が行われています。
この研究は全ての塩基配列を調べるのではなく、
日本人がこれまでに“変異が多く認められた領域のみ”を調べる方法で行います。
そうしますと、検査費用がフルシークエンス検査の約60%ほどで実施可能となります。
この検査方法をN-セット検査といいます。


私には乳がんに罹っている30代の親戚の、rinちゃんがおりましたので、
彼女がまずこの「Nーセット検査」を行い、BRCA1遺伝子の63番めに陽性判定が出ました。
費用は14万4千円で検査することができました。


私の場合は、彼女と同じ箇所に陽性反応が出る可能性が非常に高いとして、
さらにさらにピンポイントを絞って、
変異のあった63番めのみを検査してもらう方法を選択しました。


そうしましたら案の定ピンポーン!!!(←ダジャレか?)
BRCA1の63番めに病的変異がみられたというわけです。
いやはやなんともふぅー。(;´Д`)=з


費用はピンポイント検査でしたので、なんと3万6千円
親戚の彼女の検査費用14万4千円と合わせて折半にしまして、
9万円プラス消費税で済んだというわけです。
(その他にもカウンセリング料金などが、一回につき4千4百円かかりました。)


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


例えば卵巣がんのお母さんと娘さん2人が、この方法で検査をうけるとした場合、
まずお母さんがNセット検査を行って約15万円。
そこでもし病的遺伝子がみつかったら、娘さん2人に受けてもらって約4万×2。
一家族で総額約24万円~ぐらいの出費がかかることになります。
うーん。まだまだお高いというのが実感でございますねぇ(-""-;)


もし将来、この遺伝子検査が保険適用になれば、
乳がん卵巣がんを取り巻く環境がガラリと変わってくるかもしれません。
そうすれば、がんの早期発見や、卵巣予防切除などで、
救われる命も多くなってくるのではないかと期待しています。



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1万7千ものDNA配列を全てチェックすると
約2か月ほどの時間がかかるそうな!
DNA検査というのは大変な時間がかかるものなんですねぇ。
(シークエンサーという機械で解析するのだそうです。)

アタシはヤマをかけて検査をしたので、
約10日という速さで検査結果が出ちゃいました。
ちなみに学生時代の試験がヤマカケ専門だったのは、どうでもいい話。
ほほほ。(* ̄Oノ ̄*)

つうことで次回、「がんの連鎖を断ち切る手段」につづく。


【研究機関】

※N-セットを使った遺伝子検査の研究は、
現在も行っているか不明で、既に終了している可能性があります。
遺伝カウンセリング等で、確認をお願いいたします。
以下に研究に参加している機関を記載しておきますのでご参考まで。

※※※

『日本人のHBOC症例に対する、BRCA1/2遺伝子検査費用の軽減と、
高リスク群同定に関する研究がおこなわれる研究機関』


慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
慶應義塾大医医学部外科学教室
慶應義塾大学医学部一般外科
慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター
国立がん研究センター中央病院
栃木県立がんセンター
京都大学医学部付属病院
埼玉県立がんセンター臨床検査部
信州大学病院遺伝子診療部
野口病院
星総合病院外科
国立病院機構岩国医療センター外科
国立病院機構四国がんセンター乳腺科

(このほかに共同を行う研究機関が追加される可能性があります)