見に行ってきました…って結構前ですがあせる
記憶忘れないうちに感想〜と思いながらまたまたなかなか書けずにいた汗うさぎ



まずこの映画、11/17に公開されるやいなや口コミで評判が広まってちょっとしたブームになってますね

 

このような感想ツイートをよく目にするようになり、これすべて私の好きな要素しかない…!ので絶対見に行こうと思いました



しかも公式の相関図やあらすじ見ても


〜〜昭和31年一日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族 によって支配されていた哭倉村。血液銀行に勤める水木は当主・ 時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れた。龍賀一族では、時貞の跡継ぎについて醜い争いが始まっていた。そんな中、村の神社にて一族の一人が惨殺される。それは恐ろしい怪奇の連鎖の始まりだった。〜〜

※公式のストーリー紹介より



乱歩→横溝→京極と渡り歩いてきたので、こんなの好きすぎて震えます



で、無事見に行けたわけですが、

期待を遥かに上回る作品でした!



※ネタバレありますのでご注意ください










主役の水木が良いです

キャラデザも声もいい

火の鳥の登場人物でも、戦争などで理不尽な目に散々あった人間は「俺はどんな事をしてでも生き抜いてやる。死んでたまるかくたばってたまるか」ってなる描写がよく出てきます

戦争の回想ではあまりの理不尽さに言葉を失う

多くの部下に玉砕を命じながら権力者のみがずる賢く生き延びるのが当たり前だったという事ですね…


またこの水木が煙草の似合う、昭和の男の色気があるんですよね

背が高くないのも昭和ぽくて良い

なんか昨今煙草シーンって煙草吸ってるだけで何かと炎上しがちですよね…

私も実際の煙草の煙は苦手ではあるけど、でも煙草吸ってる男性を映像や漫画等で見るのはすごく好きなので、無くならないでほしいなぁ


 

 このバディがとにかく最高



哭倉村にて鬼太郎父(ゲゲ郎)と水木は出会い、少しずつ行動を共にし村と龍賀家の秘密を探っていくんだけど、二人の関係性がとても良かったです

変にベタベタしない絶妙な距離感、ゲゲ郎が最後に相棒と読んだところは胸アツでした



ストーリーは重厚で大変上手くまとまっていたと思います

そもそも鬼太郎も鬼太郎親父も人間ではないのでミステリーとしては成り立たない種明かしということになるけど、龍賀家と村人の謎、水木が探していたものの謎もすべて凄く上手く回収していたと思う



twitter(X)で感想めちゃくちゃ流れてきたけど、上で載せた方の横溝バリの重厚ストーリーと言ってる方多かったし

「子供向けではない」※R12指定映画です

みたいな意見を見かけた反面、気負って行ったけどあくまでも鬼太郎映画/妖怪バトル映画だった、みたいな感想も見ましたね

まぁ自分で見てみてどうなんだろな?

しかし公式の相関図は完全に横溝ワールドなんですよね


で、見て思ったのは、いやめちゃくちゃ横溝だな…と思った

因習村にある政財界の大物の本家とか長年その村一帯を取り仕切る一族とかの胸糞悪い設定

手塚治虫の青年誌ダーク路線も思い出しました。奇子とか。




ここから更に肝心なネタバレ書きますので、これから見る予定の方は読まないほうがいいです














ゲゲ郎と水木が最高に良かったんですが、後にじわじわ思い出すのは龍賀家の女性たちかもしれない…


真実を知り2回目以降見たとしたら沙代の言動行動すべてがなんと切ないものだろうと思った

そして都会からきた男に本当に連れ出してもらったなれの果てが次女の丙江さんな訳で…。

丙江はだいぶ乱れた感じの、あの頃の水商売風?の女性なので、最初見た時は「こういう女性、ミステリーに出てくる華麗な一族に絶対一人はいる!」的なタイプだと思ったけど、彼女もああなるしかなかったんだな

切ないですね…


※公式の相関図です



龍賀家長女の乙米さん、終始悪役ポジションだったけど、きっと彼女も10代の頃は娘の沙代みたいな可憐な女の子だったのではないか?

どんな地獄だろうとそこで生きていくしかない昭和前半の女性

彼女も長い年月のあいだに少しずつ鬼畜になっていく運命だったと思うと切ない


「糸目の石田彰」が話題になってますが石田彰演じる「長田」と乙米の関係性も良かったですね

妻がいるのにずっと妻の姉の乙米の傍で「奥様!」と守り続けるってのもどうかと思うところですが、あの腐りきった一族の中で純粋な侍従関係を見せられるとここは唯一の真実の愛だなと思ってしまったり


そうそう、乙米さんにも克典さんという夫がいますが、克典さんはいかにも昭和のギラギラした俗っぽいおじさんなんだけど、この物語においてはかなり普通でまともな人物でしたね

価値観が狂う世界観(褒め言葉です)



ラストのバトルは見応えありました

呪術廻戦要素もある

水木の「アンタ、つまんねえな!!」めちゃ胸アツでしたし、ゲゲ郎の妻への愛と時弥くんの場面は泣きました



血液製剤の真相は思い出しても胸糞悪いしもちろん龍賀家の女性たちの件もあまりにも…だけど、愛も救いもあるストーリーだったし、戦争とあの時代の闇の部分、場所によっては女性は子供を産む道具としか思われてなかったこと…などが描かれているしっかりとした軸のある脚本でした

だから胸糞設定たくさんあっても後味の悪さがなかったです



戦争で心を無くしかけ、のし上がるためには非情に徹するくらいの気持ちでいただろう水木が、か弱き者(沙代や時弥)のため、ゲゲ郎の家族のために命懸けで戦うのめちゃくちゃ良かったな

そんな事考えてるとやっぱりもう一度見に行きたいなって思います



評判かなり良くて上映劇場や上映回数も増えてるみたいので、忙しい時期だけど見に行くチャンスは増える…かな?

ちなみに噂の入場特典は終了となっていて貰えませんでした悲しい