ありがとう、来てくれて | 『 自死の明日 』~夫を亡くして、どう生きていったらいいのか探している自死遺族のブログ

『 自死の明日 』~夫を亡くして、どう生きていったらいいのか探している自死遺族のブログ

2016年6月に夫が自死。
私たちは高校の同級生でした。
深い悲しみと自責の思いは消えることはありません。
いまは何とか生きてるだけの日々です。
混沌としたいろいろな思いの中から少しずつ書くことで
どう生きていくのか探して行ければと思います。


今日行こうと思ってた

『美女と野獣』

好きな絵本
好きなアニメと歌


アニメを観に行ったのは結婚前
日本公開は1992年だって
付き合い始めたころかな


生きていたら
絶対にこの実写版を一緒に見たはず
だから、観に来た


ディズニー映画のオープニング「星に願いを」から既にじわっときて
あぁだめだ


歌でアニメがよみがえる
パソコンのscreen saverを美女と野獣にしていた頃、あの新婚の頃のことを思い出す
古い文化住宅の四畳半の部屋


広間のダンスのシーンでは、アニメでとても感動したことを思い出して、そのことにまた涙が出てきて


あのときは一緒に観たのに
絶対、今度の実写版も観に来たはずなのに
なぜいないの?
ひとりで映画なんてはじめてなのに


…なんでいないかって
それは…
わかってる
いろんな思いが押し寄せた


だって、淋しさも悲しさも、深い後悔も、どんなに押し込めても消えることはない
一生、悲嘆と共に
一生、自分を責めることと共に
私が生き続ける限り


ごめんね
今日のこの時間を共に過ごせなかったのは、私のせい
私が未熟だったから
私が弱かったから
それと…あなたも?
あなたのいう通り弱かったから?
きっと両方のせい


それでも、私が支えてあげないといけなかった
きっと私の方が耐えられたのだから



映画の終わり際
隣に気配を感じた


誰もいない席だったけど
最後にいたの?


席を立つときに
隣を見た


ありがとう
さようなら
…またいつか




若い頃に読んだ大好きな絵本
エロール・ル・カインの美女と野獣



1991年のアニメ(画像お借りしました)


今回の実写版




この何ヵ月か夢に見ない
今日はちょっとだけ横に座ってくれた気がする

ありがとう、来てくれて

本当は、淋しい
とても、淋しい





最後まで読んで頂いて、
ありがとうございました