法恩院住職 鳥沢廣栄著
『スッと心が軽くなる仏教の言葉』を引用させて頂き投稿させて頂きます。
[考え方を少し変えたり、世の中を見る角度を少し変えれば、生きる希望は見えてくるものです。それを説き明かし、安楽な世界へと導いてくれるのが仏教なのです。
仏教には、自分の生き方を変える言葉がたくさんあります。生きる希望が湧いてくる言葉が数多く語られています。そのことを多くの方に伝えたいと思い、本書を記しました。
この本を読んで、少しでも生きる希望が得られるならば、幸いに思います。あなたの心に響く言葉が、きっと見つかることと思います。 合掌]
鳥沢廣栄著
第一章 心が軽くなる言葉
◆如行雲流水(にょこううんりゅうすい)
──空(くう)とはなにか?(典籍:「息耕録開筵普説」)
[仏教思想の中で、最も知られているのは「空(くう)」ではないでしょうか。空を説いたお経としては、般若心経が代表的です。しかし、空思想は、知られている割には理解されていないものです。
空の思想は難しく、多くの僧侶が自問自答しながら説いてきました。
「如何が空──空とはなにか」
答えは一つに「如行雲流水」があります。空とは、空(そら)を行く雲の如し、流れる水のごとし、という意味です。禅の修行者を雲水といいますが、その語源がこの「行雲流水」です。
雲は流れに任せて形を変えていきます。何かに引っ掛かることもなく、何かにこだわることもなく、ただただ流されていきます。同じく、川を流れる水も、ただただ高きより低きに流れるだけです。雲も水も自分で止まろうとはしません。
雲が一ヶ所に留まり続ければ、日が差さなくなり植物も育ちません。水も一ヶ所に留まってしまえば、澱んで濁ってしまいます。空とは、雲や水のように、何のこだわりもなく、執着もなく、留まることなく流れるように自然に生きていくことです。
人が空で生きていけば、悩みなどは生まれてこないでしょう。地位や名誉、立場、物や金銭に執着を持ったり、他人の言動を気にしたり、見栄を張ったりするから、悩みは生まれてくるのです。
手に入るときが得られるとき、手に入らないのは縁がないから、と何のこだわりもなく、行く雲の如く、流れる水の如く生きていけば、苦しみも悩みもなく生きられるものなのです。]
【空の概念は頭で考えれば一見分かる様な気がします。
しかし、実際にその境地に入るのはなかなか困難な事です。
仏道修行により、次第次第に空に近づいている自分を自覚する事が出来るものと思います。 合掌】




