法恩院住職 鳥沢廣栄著
『スッと心が軽くなる仏教の言葉』を引用させて頂き投稿させて頂きます。
[考え方を少し変えたり、世の中を見る角度を少し変えれば、生きる希望は見えてくるものです。それを説き明かし、安楽な世界へと導いてくれるのが仏教なのです。
仏教には、自分の生き方を変える言葉がたくさんあります。生きる希望が湧いてくる言葉が数多く語られています。そのことを多くの方に伝えたいと思い、本書を記しました。
この本を読んで、少しでも生きる希望が得られるならば、幸いに思います。あなたの心に響く言葉が、きっと見つかることと思います。合掌]
鳥沢廣栄著
第一章 心が軽くなる言葉
◆成仏──生きているうちにするもの(典籍:「俱舎論」)
[人が亡くなると「成仏しました」といいます。あるいは、「故人は成仏してますか」と尋ねる方もいます。
成仏とは「仏陀に成る」という意味です。したがって[成仏した」といえば「仏陀になった」という意味になります。仏陀に成るというのは難しいことです。簡単にできることではありません。
しかも、仏陀になることができるのは、生きている人間だけなのです。死者は仏陀にはなれません。仏陀になろうと思えば、もう一度人間に生まれ変わってこなければならないのです。
地獄・餓鬼・畜生の世界は三悪道ともいわれ、生きているときの罪を清算する世界です。修羅の世界は戦いに明け暮れる世界です。修行どころではありません。天界は快楽の世界です。修行もできますが、苦が少ない世界ですから修行する必要がありません。人間界は苦しみや安楽、快楽が混在する世界です。修行すれば苦から解放され安楽を得られます。その究極的姿が仏陀なのです。
成仏できるのは、人として生きている間だけなのです。亡くなってからでは遅いのです。死後に望むのは、成仏ではなく、安楽な場所への生まれ変わりだけです。
生きているうちに成仏を目指して下さい。心の安楽を得てください。成仏は死後に願うものではないのです。]
【「成仏とは」については様々な意見が発せられておられると思いますが、
佛になる事。即ち、覚者になる事。宇宙の真理を覚る事。二度と六道輪廻を繰り返さない生命を得る事。等が私の答えです。
先ずは、前世より犯してきました悪因縁を洗除する行いが肝要です。 合掌】