法恩院住職 鳥沢廣栄著
『スッと心が軽くなる仏教の言葉』を引用させて頂き投稿させて頂きます。
[考え方を少し変えたり、世の中を見る角度を少し変えれば、生きる希望は見えてくるものです。それを説き明かし、安楽な世界へと導いてくれるのが仏教なのです。
仏教には、自分の生き方を変える言葉がたくさんあります。生きる希望が湧いてくる言葉が数多く語られています。そのことを多くの方に伝えたいと思い、本書を記しました。
この本を読んで、少しでも生きる希望が得られるならば、幸いに思います。あなたの心に響く言葉が、きっと見つかることと思います。 合掌]
鳥沢廣栄著
第一章 心が軽くなる言葉
◆機根不同─いろんな人間がいて当然(典籍:「般若心経秘鍵」機根は「釈摩訶衍論」)
[人の素質は、それぞれ異なります。一を知って十を覚る者もいれば、十を知って一しか理解できない者もいます。
弘法大師の著作に「般若心経秘鏡」という書があります。その中に「機根不同にして性欲(しょうよく)即ち異なり」という句があります。「機根」とは理解力のことをいいます。「機」はきっかけ「根」は素質のことです。「性欲」とは、現代に使われている意味ではなく、人それぞれの性質による欲望のことです。
「機根不同にして性欲即ち異なり」とは、「一つのきっかけでどの程度理解できるかは人によって異なり、人によって求めものも異なる」という意味になります。
人は個性豊かです。理解力も異なります。「打てば響くような」といいますが、誰もがそうあるわけではありません。打てば響くのか、打っても響かないのか、時間が経ってから響くのかは、人によって異なります。また、求めるものも趣味も欲しいものも異なります。それが人間です。ですから、その人それぞれに違いがあることを認めることが大切なのです。
理解力がないから、ピンと来ないから、空気が読めないからといって、その人の個性を否定したり、排除したりしてはいけません。世の中には、いろいろな人間がいて当然なのです。]
【「機根不同」で一番心する事は、何故仏教は八萬四千もの教えを説かれたかという問いの答えです。
即ち、釈尊は人々の機根に応じてそれらの人々に適応する様に次々と教えを説かれました。
私自身も出会う方々の機根をよく把握し、機根に応じて仏教法華経を伝えられる様、器をつくらせて頂きます。 合掌】