2016年1月28日に開示された、今回の事件に関する「社内調査報告書(開示版)」。
事件の実状を知らなかった皆様が読んでみて、客観的にどんな感想をお持ちになっただろうか?
私はというと、友人から「社内調査報告書が開示された」と聞き、「どれどれ」と読んでみると、
「・・・・・・・なんだこれ?」
「事実や俺が話した内容とかなり違って書いてある部分もあるし、ものスゴイお手盛(企業側に都合のいい内容)満載の内容すぎる・・・」と思った。
当初友人から「AppBankは、社内調査委員会を立ち上げるらしいよ」と聞いた時から、「は?社内?第三者委員会じゃないんだ。まぁ知られたくない事はたくさんあるからな」と、思うのと同時に、「出てくる報告書は、ある程度のお手盛は仕方ないかな」とも思っていた。
ただ、社内といっても「社内メンバー+社外の弁護士」というよくある形だったので、そこまで不安視はしていなかった。
その社内調査委員会の設置後、私は委員会に4~5回参加し、記憶している限りの事実を話した。
印象的だったことが2つあり、
1つ目は、最初に委員会に参加し、おそらく委員会のメインスピーカーであったS弁護士が、私に向かった「誰かをかばったり、隠し事はせずに真実を話して下さい。もし後で木村さんが話した内容の1つが嘘と分かった場合、他の内容がたとえ真実であっても、全て信じられなくなってしまうので、必ず正直に話して下さい」と言ってきたので、私は「はい、もちろんです。」と答えて、正直に話した結果が、あの報告書の出来上がりですか・・・
2つ目は、通常「社内メンバー+社外有識者」で構成する「社内調査委員会」が作成する調査報告書は、完全に完成するまで企業側に見せないのが原則です。
当たり前ですし、もしドラフトの段階で企業に見せてしまって、企業に不利な事が書いてあった場合には修正も可能ですし、お手盛も可能になってしまうからです。
たしか、あれは委員会に参加した最後の時だったかもしれませんが、S弁護士か誰かが「そしたら、内容をAppBankとすりあわせしないと・・・」と言ったんで、「すり合わせるんかい!」と、心の中でスクリームしました。
前述したように、今回は「社内」調査委員会だったので、ある程度のお手盛報告書が出てくるのは仕方ないと許容していましたが、実際に出てきた「社内調査報告書(開示版)」があまりにも酷かったので、冒頭書いたように唖然とした。
そこで、私は社内調査委員会に事実や私が話した内容、そして私を意図的に貶める表現を使っている点、さらに深い調査もしていないのに、事象について断定しているような部分等21か所について、質問状として書面を郵送しましたが、期限までに回答はありませんでした。
私は今回、罪を犯し分かったのだが、本当にびっくりするくらい、事実・真実というものは、世の中に出て行かないものだと感じた。
調査委員会も検察も真実を求めているはずなのに。
特に上場企業が開示する「調査報告書」については、気を付けて取り扱うべきだと思う。
上場企業が、もし犯罪の被害等で委員会を設置する場合は、原則として第三者委員会にするべきだし(ただし第三者委員会にも課題はある)、「社内メンバー+社外有識者」のような「社内調査委員会」の場合には、聴取や報告書の作成の段階から東証メンバーが入って、お手盛がないようにチェックすべきだと感じた。
これは、株主やステークホルダーの為でもあるが、加害者の権利の為でもあり、委員会の参加であれだけの時間を費やしたのが、無駄だったと思うと悔しくて仕方ない。
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