入院6日目。術後2日目。
医師の回診があり、無事退院できることになった。
あまりに足が腫れていたのか、病床に空きができたのか、
「週明けまで泊まっていっていいよ」と言われた。
病院の長い就寝タイム<21時-6時>では夢をよく見る。
しかもパシュートのお尻を触っている夢ばかり見るので、
ありがたく辞退した。
骨折してから気付いたユニバーサルデザイン、
いわゆる松葉づえ生活、について少しメモ。
骨折したのは足首。症名は左足関節外果骨折。
腓骨(足首)がねじれ折れて、
脛骨(すね)の足首側の先端が欠けた。
「ギプス」という単語は聞いたことあるが、
固定具のすべてをそう呼ぶわけではないようだ。
現時点の治療では「シーネ」と呼ばれる固定をされている。
アルミ板にウレタンを付けたようなもので、
ふくらはぎとかかとと足の形に型どられていて、
包帯でぐるぐる巻きにして固めている。
個人的に思うメリットはなにより取り外せる。
包帯とシーネを外すと医師が患部を検診できる。
包帯越しに患部をアイシングできる。
取り外せるのでシャワーを浴びられる。
(ギプスをしたことないが、比べて)暑くない。
(ギプスをしたことないが、比べて)重くない。
重くないので、入院前の1週間は、
打合せに出掛けまくった。
慣れない松葉づえをスキルフルに使い、
結果、足首から先がパンパンに腫れた。
腫れていると手術ができないので、
手術前の3日間は強制入院させられた。
「ベッドに寝て安静にしていろ」と。
実際、足先を心臓より高く上げていると、
腫れとむくみがずいぶん取れる。
一方で、トイレに立ち上がったり、
動いたり、椅子に座って足を下げたりすると、
一気に、血が下になだれ込むのがわかる。
回診で包帯を外されて気付いたのだが、
左足のふくらはぎの筋力がみるみる落ちている。
筋力の低下で、心臓に血が上がりにくいらしい。
結果、むくみやすい腫れやすい。
「夕方になると足がよくむくみます」という
パンプス女子の気持ちが、いまならよくわかる。
ふくらはぎというのは、
足首に力をいれないと力が入らない。
要するに歩いていると自然に使われるけれど、
歩かないと使われない。
骨折してほんの2週間なのに、
おじいさんの足みたいな自分のふくらはぎが
ひ弱でとてもかわいそう。
車イスだと足腰が弱るとはこういうことか。
松葉づえの使い方だけはずいぶん慣れた。
過度に打合せに出かけまくったおかげか。
つえを先に出して、あとから足を持っていく。
しかし、階段の「登り」だけは逆だった。
足で先に登り、つえを追いかける。そうしないと、
肩をすぼめたようになり、上手く登れない。
知らずにだいぶ苦労した。渋谷駅とか。
同様に苦労するのが急なスロープ。
ユニバーサルデザインの一環として、
スロープは付ければいいというもの、ではないと思う。
無理矢理付けたような急なスロープは、
車イスも松葉づえも登りにくい。
退院にあたり、
「できるだけベッドに寝て安静にしていること」
「腫れとむくみが出るような生活は避けること」
「術後2週間の抜糸までは極力大人しくすること」
が先生からの申し送り。
パシュートの風除けよろしく、
だれかの助けを借りないと前に進めませんが、
診察とリハビリのため不在がちで、
引き続きご心配ご迷惑おかけしますが、
とはいえ、ひとまず退院できました。
高木菜那選手金メダルおめでとうございます。
参考リンク