外来でのピロリ菌に関する質問も比較的多く、またこのブログのピロリ菌に関する記事へのアクセスが多いようです。
ピロリ菌の検査および除菌療法は、2010年7月現在、胃潰瘍、十二指腸潰瘍およびそれらの瘢痕、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃がんの内視鏡治療後の新たな胃がんの発生の抑制のみです。
それ以外の疾患の場合(多くは慢性胃炎ですが)、自費での診療になります。当院では文書での同意をとらせていただき、希望される方にはピロリ菌の除菌をしております。問い合わせが多い項目をまとめてみますと、
①ピロリ菌の除菌での副作用は?頻度は?
除菌薬は3種類の薬を同時に1週間内服しますので、副作用の出る頻度は15%-67%(軽度の副作用も含めて)です。特に下痢、軟便、味覚異常、口内炎、舌炎、皮疹などがみられます。下痢、軟便は、当院では整腸剤を同時に内服しておりますので比較的軽度で治まるようです。味覚異常は一過性ですので、除菌薬が飲み終わりましたら軽快します。
軽度の副作用の場合でしたら、1週間は我慢して内服していただいたほうがよいでしょう。
ただし重篤な副作用、頻回の下痢、血便を伴う下痢の出血性腸炎、発熱、呼吸困難、重症の発疹、などが起こった場合は、主治医に連絡するか直接救急病院を受診してください。特に早く出現する副作用ほど重篤で、内服開始し数分から数時間以内におこる場合は、薬の内服を中止し受診してください。
②服薬時の注意は?
薬を中断したり、飲み忘れると、除菌に失敗するだけでなく、耐性菌(薬が効きにくくなる菌)に変わることがあります。重篤な副作用がない限りは、きっちり最後まで飲みきることが大事です。
除菌治療中は、できるだけアルコ-ルや他の薬を飲まないようにしてください。また普段から飲まれている薬に関しましては、主治医の先生にご相談したほうがいいでしょう。特に再除菌でメトロニダゾ-ルを内服する場合は、アルコ-ルはだめです。