新聞記事の効果は大きいようで、当院の外来診療にも新聞広告の問診票で逆流性食道炎が気になり来院された方が数名いらっしゃいました。
やはり、逆流性食道炎を含め「胸やけ」、「胃もたれ」のある方は胃の検査を受けていただいた方がいいでしょう。また可能なら、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で逆流性食道炎の内視鏡での重症度を判定することが重要です。またどうしても内視鏡はダメという方にも上部消化管造影検査(バリウム検査)では、食道の細かい観察はできませんが、バリウムの移動より逆流のおこりやすさなどがわかりますので、有用です。
逆流性食道炎はどのようにしておこるのでしょうか?
食道と胃の接合部(噴門)は、安静時には閉まっており、酸性の内容物が胃に逆流するのを防いでいる逆流防止機構があります。この噴門は、嚥下(食べ物を飲み込む)時に開き、食べ物が胃に到達するまでは、開放の状態になりますが、胃の圧が上がった時にも開放の状態になります。この時にでてくる空気がげっぷです。
この逆流防止機構が崩れた状態の主な疾患に、食道裂孔ヘルニアがあります。
本来食道は、横隔膜裂孔(横隔膜の穴)を通って胃につながります。噴門が横隔膜の部位にあり、横隔膜が外側から噴門を圧迫して逆流を防ぐようなしくみとなっています。食道裂孔ヘルニアは、横隔膜と噴門が一致するところを食道が短くなり、噴門が横隔膜裂孔(横隔膜の穴)よりも上にずれてしまい、逆流防止機構が十分働けなくなった状態です。食道炎は、酸性の胃液が食道に過剰に逆流することによる病気です。つまり、噴門の逆流防止機構が低下したとき、嚥下と関係なく噴門が開いてしまう場合、またそれ以外に腹部に強い圧力が加わった場合に逆流しやすくなります。
整理しますと
①噴門の力の低下;食道裂孔ヘルニアでおこりやすい。
②噴門が開いてしまう;脂っこいものや、飲みすぎにおこりやすい。
③腹圧がかかった状態;前かがみの姿勢、お腹に力をかける仕事など
などにより酸の逆流がおこりやすくなるのです。
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