過敏性大腸症候群の治療方法は、患者さん個人により症状がさまざまで、難渋することもあります。一般的な治療法を紹介します。

 

 過敏性大腸症候群は、比較的症状が続く場合が多く、長期にわたり治療が必要な場合が多いです。まず、原因となっているストレスを解決したり、発散することが大切です。食生活を含めた生活習慣の改善、規則正しい食生活も重要です。薬物療法では一般的には、消化器症状を抑えたり、不安を取り除く治療が一般的に行われています。
 過敏性大腸症候群の主な症状は下痢、便秘がありますが、まず消化管運動機能改善剤が使われます。胃腸の動きがスム-ズに働いていない状態を、できる限り正常の状態に整える作用のある薬です。下痢のときには、消化管の運動を抑えて下痢を止め、便秘傾向の時には、消化管運動を促進させて、排便を促したりします。

また腹痛、過敏性大腸症候群の腹痛は、大変つらく、この時には鎮痙剤(ちんけいざい)といわれる、消化管の運動を速やかに抑え、腹痛を和らげる薬が使われます。その他、乳酸菌製剤、プロバオイオテックスともいわれる腸によいといわれる細菌を主成分とした薬を使用したり、下痢が強い場合は止痢薬や便秘がひどい場合は下剤を使用したりします。

いずれにしても患者さんにより、症状は様々で、症状にあわせていろいろな薬があり、主治医の先生と十分に相談することが大事でしょう。