この4月から登録した弁護士ドットコムで、「企業法務・顧問弁護士」分野で自己最高の3位にランクインした。
法律相談にたくさん回答し、評価されるとランキングがあがる仕組み。放っておくとあっという間に下がる。
というかこのランキングは弁護士ログインでないと見られないようなので、よく考えると意味があるのかないのだか。一喜一憂するものでもないような。
清水義範氏の小説に「序文」というのがあり、これは英語語源日本語説という架空の学術書の序文の変遷(初版本、改訂版、完全版、全著作集、文庫版)という体をとったパロディ小説である。清水氏の作風はパスティーシュ文学とか文体模写と言われており、どれも面白いが私が特に好きなのがこの「序文」である。
小説でも指摘されているが、日本語の「名前(namae)」と英語のnameはなぜか似ている。
坊や→boy
負う→owe
たぐる→tug
英語の起源は日本語?どうなんでしょう。気になる方は小説をどうぞ。
それはともかく、インドネシア語で「名前」はnama(ナマ)という。偶然であろうか。
Nama saya Kimura. (私の名前は木村です。)
さらに言うと、ミャンマー語で「名前」はナメーである(文字はアルファベットでないので、ここでは書けない)。
チャノー・ナメー・キムラ・パー (私の名前は木村です。)
ミャンマー語と日本語には驚くべき共通点がある。ミャンマー語には基本文字というのがあるのだが、その並び方が、日本語の「あかさたなはまやらわ」とほとんど同じ(ただし「カー」で始まり「アー」で終わる)なのである。さすがにここまで来ると偶然の一致のはずがなく、日本語の何かしらの部分は西の方、たぶんインドあたりから伝わったのだろうということが分かる。
また、インドネシア語で「火」をapi(アピ)というが、アイヌ語ではape(アペ)という(アイヌ語でアルファベットを使うという意味ではない)。これに気づいたときは驚いたが、残念ながらインドネシア語とアイヌ語で類似する単語はこれ以外には見つけられていない。
ついでに言うとインドネシア語と日本語も「名前」とnama以外は似ていない。「象は鼻が長い」式の構文があるのは共通するが、基本的にインドネシア語は主語・動詞・目的語の順なので、日本語とはまったく似ていない。残念。
とは言えインドネシア語はインドネシアに数ある言語のうちの1つであるから、もっと日本語に近い言語もあるのかもしれない。
因幡の白兎に似た神話がインドネシアにもあるそうだ。日本人のルーツのひとつは南方から来たらしい。DNAからの研究もよいが、こういう文化的側面からも誰か研究していないものか。
日本人のルーツと日本語のルーツというのは同じことなのか互いに関係ないのか。さらに、話し言葉としての日本語と、日本の文字とはまた違う話なのか。
冒頭の「英語語源日本語説」だが、日本語がどこから来たのかではなく、日本語がほかの言語に影響を与えたかもしれないとどうして誰も考えないのか、という指摘は(フィクションながら)ごもっとも。
明治以降の新語であれば、例えば「銀行」とか「手続」などの日本語がそのまま(発音は違うが)中国語になっている。中世以前はどうなのか。
というようなことを責任のない立場で空想するのは大変楽しいのであるが、比較言語学というのか、まじめに研究しようと思うと大変ですねこれ。
国際商事法研究所(IBL)主催の「国際技術援助契約の法律実務講座」のうちの1コマ、「国際技術援助契約の独占禁止法上の問題点」の講師を今年度も担当させていただきます。
「国際技術援助契約の法律実務講座」
2022年2月25日(金)午後1時10分~午後5時10分
ライブ配信(Zoomウェビナー)
私の担当部分に関しては、日本法、アメリカ法、EU法における競争法(独占禁止法)の法体系を概観したあと、知財契約に関する各国の規律を解説し、さらにノウハウライセンス契約等における典型的な条項の競争法上の問題点・各法制ごとの違いを説明するという盛沢山の内容となっております。
内容は毎年アップデートしていますので、リピーターも歓迎いたします。
申し込みは国際商事法研究所のホームページからお願いします。
https://www.ibltokyo.jp/seminar.html