司法試験 予備試験の結果発表 | 知財弁護士の本棚

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企業法務を専門とする弁護士です(登録30年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。

ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎

 今朝(11月11日(金))の新聞各紙に司法試験予備試験の結果について報道されています。合格者116人、合格率1.8%とのことですが、私が気になるのは「法科大学院修了者も336人受験したが、合格者は5.7%の19人にとどまった」(日経)という部分です。


 予備試験は、合格しても司法試験受験資格が得られるだけで、法科大学院修了者と同等の学力を有するか否かを判定するための試験というのが建前です。


 ですから、現に法科大学院を修了した人が受験すれば概ね(たとえば8割以上)合格できる試験でないとおかしいはずです。


 法科大学院修了者や現役法科大学院生が受験するのは制度として予定されていないのですが、実際にはこれらの人の一部が受験しています。現役法科大学院生が受験するなど決して誉められた行為ではありませんが、それはともかく、現に法科大学院を修了した人でも実際には5.7%しか受からないというのは、その人たちが予備試験を受けざるを得ない事情、たとえば司法試験に3回失敗して受験資格を喪失したとかの事情があるかもしれないことを考慮してもなお、理解できる範囲を超えていると思います。