サッカー審判TIPS(750) オフサイドのルールが変更? | サッカー審判KenKenのブログ

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FIFAが新オフサイドルールを検討中とアナウンスされた。 

オフサイドとは、攻撃側競技者が味方から前方へのパスが蹴られた瞬間にゴールから2人目の守備側競技者より前(ゴール寄り)に居たという条件のもとでそのパスに触れることを禁ずる、わかりやすい言葉で言えば「待ち受けプレーはずるいからダメよ」というルールだ。 

 

現状のルールでは攻撃側競技者の「ボールをプレーすることができる身体の一部」が最終ディフェンスラインから2人目のディフェンダーのライン(プレー可能な身体の部分の最後部部位だよね)から出ていたらオフサイド。

 

試行するルールでは、攻撃側競技者の「ボールをプレーすることができる身体の全部」が最終ディフェンスラインから2人目のディフェンダーのラインから完全に出ずに少しでも残っていたらオフサイドではなくセーフとなるのだ。 

判断するべき箇所が身体一つ分ゴール寄りにずれただけの違いのように思えるが、これは競技者にとっては大きな違いだ。 

 

守備側からしてみれば、攻撃側競技者に身体一つ分前に出られて縦パスを追いかける場合(試行ルール)と、膝から下の部分だけ先行された相手を追いかける場合(現ルール)とでは追いつける可能性に格段の差ができる。ほぼ並んで追いかける場合は身体を寄せたり手を伸ばしたりして相手のスピードを遅らせることができる。しかし身体一つ分前に出られてはよほど鈍足の相手でないかぎり追いつくのは容易ではない。 

これにより得点機会が増えて試合がエキサイティングになるだろうという目論見だ。 

 

しかしながら、今までの得点王の記録とこれからの得点王の数字を同じに論ずることはできなくなる。

悩ましいところだ。 

 

一方、ボールがゴールラインを完全に割らないと得点と認められないことは周知の事実であるから攻撃側競技者が完全にオフサイドラインを超えていないとオフサイドと判定されない、というのはある意味合っているのかな。