サッカー審判TIPS(728)  レッドカードの重み | サッカー審判KenKenのブログ

サッカー審判KenKenのブログ

サッカー3級審判KenKenの審判経験記

サッカー審判TIPS(728)  レッドカードの重み

 

2020年11月25日のLivedoor Newsの記事を引用する。

まずは読んでみていただいて私が何が問題だと言いたいか考えてみていただきたい。(下線部KenKen)

 

アルゼンチン1部タジェレスのMFメンデス、“飛び蹴り”で退場処分

 アルゼンチン1部リーグは現地時間23日にファーストステージ第4節が行われたが、そのなかの1試合で危険な顔面直撃の“空手キック”が飛び出し、海外メディアで話題となっている。

 問題のシーンが生まれたのは、グループ4のニューウェルズ・オールドボーイズ対タジェレス・デ・コルドバの一戦だ。試合は前半4分にホームのニューウェルズが、元アルゼンチン代表MFマキシ・ロドリゲスのゴールで先制。アウェーのタジェレスは劣勢を強いられるなか、MFイグナシオ・メンデスは同14分に球際の競り合いで相手に後方からスライディングタックルを見舞い、1枚目のイエローカードを受けた。

 そして迎えた前半アディショナルタイム4分、メンデスは敵陣での浮き球に反応。ともにボールの行方を追っていた相手FWフランシスコ・ゴンザレスが頭で触って抜け出そうとするなか、メンデスはジャンプしながら右足を高く上げた。次の瞬間、メンデスの右足裏がゴンザレスの顔面をヒットしピッチに崩れ落ちる。あまりにも危険なプレーに、主審は迷うことなくこの日2枚目のイエローカードを提示し、退場となった。

 このシーンについてスポーツ専門局「ESPN」アルゼンチン版は、映像とともに「空手キッド」「恐ろしいキック」と綴って報道。同メディアの公式ツイッターでも、「メンデスは無謀なフライングキックでゴンザレスを驚かせ、2枚目のイエローで退場させられた」と伝えている。

 幸いにもファウルを受けたゴンザレスは大事に至らず。試合はメンデスの退場で1人少なくなったタジェレスが、後半26分にMFトーマス・ポチェッティーノが同点ゴール。敵地で1-1と、貴重な勝ち点1を手にしている。(Football ZONE web編集部)

 

私の考えを書く。まずイエローカードを1枚もらっている選手が悪質なファウルをした場合、そのことを罰するには2つ目のイエローカードを出せば退場させることができる。しかしその悪質なファウルがレッドカードに相当するようなケースではイエローカードではなく「このファウルは一発退場に値する。君はこのピッチに残ってサッカーを続ける資格はない」という意味を込めてレッドカードを出すべきと思う。

イエローカードだろうがレッドカードだろうがその選手はその時点で退場になるのは変わりないのだがその後の懲罰委員会あるいはリーグ運営委員会での扱いが異なる。イエローカード2枚で退場になった選手は通常は次の1試合出場停止となる。通常は、というのは危険度の無いイエローカード、例えば無断退出とか時間の浪費などの場合である。後方からのタックルを繰り返し相手を危険な目に遭わせたというファウルが続いたりしたらもしかしたら出場停止試合数が増えるかもしれない。(処分を検討する場面を知らないので想像で書いています)

一方、イエローカード1枚+レッドカードという場合は、退場させるだけでは懲戒罰として不十分、通常以上の罰則が必要となるというような意志が入る。そこで〇試合出場停止とかの重い罰則が付加されることになる(と思う)。

今回の記事のケースでは、スパイクが顔面にヒットしているわけで大変重大なプレーである。1枚もイエローカードをもらっていない選手が行ったとしても一発退場となるプレーであり、2枚目のイエローカードで退場させるのではなく、しっかりと「一発退場に相当」とピッチ全体に知らせるべきではないかと考える。