サッカー審判TIPS(670) VAR、ほかにも役割 | サッカー審判KenKenのブログ

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VAR、ほかにも役割

今回のワールドカップではVARによる判定が話題になっている。
これだけ利用され、世界中の人がその効果のデモンストレーションを見ると、もう後戻りはできないなと思う。
草の根サッカーでは利用できないが、各国のトップリーグでは徐々に普及していくのではないだろうか。

今までは見逃されていたゴール前でのファウル、オフサイドなどの微妙な判定が映像で白日の下にさらされる。
フランスの初戦でのPK、韓国vsスウェーデンのPK、スペインの失点が取り消されて命拾い、など従来だったら
そのまま試合が進行してしまうケースだった。
チームやサポーターとしては釈然としないまま、酒を飲みながら「あれがPKと判定されていたら」と憂さを晴らす
ということになるのが「これまで」。
これからはそのような疑惑を持ったまま試合が終わる、ということはなくなりそう。
マラドーナの「神の手ゴール」は今後はワールドカップにおいては二度と出てこないプレー、「昔はそんなこと
もありえたのだね」と話のネタになるだけだ。

そしてVARの役割は得点にからむプレーの判定だけではない。「警告、退場の対象者の確認」もある。
今回、フランスvsペルーの試合でそれがあった。
後半、ペルーのアキノ選手がファウルを犯しイエローカードを受けた。
アキノ選手のファウルに対してフローレス選手へのイエローカード。フローレスは「違う」とも抗議をせず、その
まま警告を受け入れていた。同僚の身代わりになったということなのだろうか。
その後に、主審がVARから無線で連絡を受けたのだろう。フローレス選手にイエローカードを見せた上で、両手
を左右に振ってそれを取り消す仕草。そしてアキノ選手を呼び寄せてあらためてイエローカードを提示した。

今大会で、得点にからむシーン以外でのVAR利用を初めて見たので書いてみた。