サッカー審判TIPS(628)
ラインの幅
サッカーのフィールドを区切るラインについていくつか決められていることがある。
ご存知のように、ラインの幅は12cm以下、基本的に白色で描かれる。
ハーフウェーラインは人の往来が激しいから、土のグランドの場合石灰がすぐに見えなくなってしまう。
だからこの線だけ太く描こう、というのはできない。すべてのラインは同じ幅で描く。
試合と試合の合間に薄くなったハーフウェーラインをなぞろうとして陸上用のラインカーで細いラインを描くのも、「他のラインと幅が異なる」ことになりよろしくない。
ラインの幅はそのエリアに含まれる。
だからセンターサークルはそのラインの外側がセンターマークから9.15mとなる。
キックオフ時に相手競技者がセンターサークルのラインを踏んでいると、厳密には9.15m以内に踏み込んでいることになる。
コーナーキックの際に9.15m離れる目安となる「任意のマーク」もテキトーに引いてはいけない。
まずコーナーエリア。フィールドの隅から1mの距離がラインの外側になるように四分円を描く。
これをフリーハンドで描こうとするとけっこう難しい。私は天然芝にペイントされた「底辺の脹らんだ二等辺三角形」のようなコーナーエリアを見たことがある。
さて、そのエリアの外側部分(フィールドの隅(あるいはコーナーフラッグ)からではない)から9.15mのところに任意のラインの遠い(コーナーから見て)側の端になる位置にゴールラインから5cm離して直角に30cmの長さのラインを引く。あ~文章で書くと面倒くさい。
任意のラインがゴールラインにくっついているとその任意のラインもフィールドの一部とみなされるからだ。(誰もそうとは思わないけど)
コーナーキックの際にボールをタッチラインの外側からギリギリタッチラインにかかるような場所(ボールのほとんどがタッチラインの外)に置いたとする。その場合この任意のラインまで離れるということはボールから10.1mくらい離れていることになる。
まあだからといってあと1mコーナーに寄らせろという守備側競技者もいないだろう。
一方、ハーフウェーラインはどちらのチーム側にも属さない。
オフサイドの判定ではボールが出された瞬間に相手陣内に受け手の(腕や手を除く)体の一部が出ていたかどうかが判断j基準となる、そんなギリギリのケースもある。
相手陣内とはどこからか? ハーフウェーラインの中心からと回答した人がいる。
答はハーフウェーラインの外側から。ハーフウェーラインはどちらの陣地にも含まれないから。
ラインひとつ取っても気を抜けない。ちゃんとした大会でグランド設営をするときはこのあたりを理解してラインを引こう。
最後にセンターマーク。以前にも書いたが、バッテンやハーフウェーラインに直交する30cmくらいのラインを描く方がいる。(私より少し上の年代でしょうか…)
センターマークは直径22cmの円で描く。ペナルティマークも然り。
これはボール(円周68~70cm)を真上から見た場合にちょうど重なるサイズなのだ。( 22cm×π=69cm )