サッカー審判TIPS(341)
観客の暴言
自分が見た話ではないのだが、その場にいた人から聞いた話。
関係者が読めば「あ、あの話だ」とわかることなのだが、珍しい出来事が起きたので書いてみる。
少年団の試合。
主審があまり上手でなかったため、不利な判定を出されてしまったチームの少年が試合が終わりベンチに帰ってきてから不平をもらしたらしい。
それを聞いた親がピッチから去る審判に対して「●●!」という暴言を吐いたそうだ。
選手が言った言葉だったら、侮辱的な発言でレッドカードだ。
もちろん試合が終了していてベンチに戻った時点での発言でも対象になる。
監督やコーチが暴言を吐いたとしても処分の対象だ。
しかし、応援の父兄や観客だったらどうだろう。
ベンチの後ろで立って見ていて、そのチームの選手の親だということが一目瞭然。
ベンチや選手と一体となっているとみなせる。
Jリーグや国際試合で観客が放つ野次や暴言、ブーイングよりも、「ベンチが言う暴言」に近い。
ということで、その暴言を受けた主審は本部に報告し、その少年団に厳重注意がなされたそうだ。
そのとき引率していたコーチは、たまたま別な試合の主審を割り当てられて行っていたので(自分のチームの試合が見れずに)、その暴言を聞くことも止めることもできなかったらしい。
今年の審判講習会で配られた「Respect」ワッペン。
審判、相手選手、本部、すべての関係者に敬意を払うことが日本サッカー協会の指針である。
敬意を払うことは、相手にへいこらすることではない。
相手の立場に立ってを考えることだ。
不慣れな審判であっても、一生懸命やっている人に対してはその姿勢に理解を示そう。少なくとも文句を言うのは控えよう。