サッカー審判TIPS(220)
つばを吐く
退場となる反則の一つにつばを吐くというものがある。
めったにそのような反則に遭遇することはないが、審判としてはいろいろな場合をシミュレーションしておかなければならない。
相手競技者に対してつばを吐いた場合は、退場処分後にその場所から相手の直接フリーキックだ。
では味方競技者や審判に対しての場合はどうだろう。
これは、その場所から相手チームの間接フリーキック。
審判に対しての場合もその場所から間接フリーキック。
ではベンチや観客席に対してそのような行為を行なったらどうなるだろうか。
これらについては新しいルールブックの119ページが参考になる。
「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」にある第12条ファウルと不正行為の項目の中にプレーの再開について列挙されている。
ベンチや観客席に対して、というのは「交代要員または交替して退いた競技者に対しての反則の場合」が適用されよう。
プレーを停止したときにボールがあった位置での間接フリーキックでの再開となる。
いずれもインプレー中を想定している。
ではアウトオブプレー中の場合はどうか。
答えは、競技者を退場させてからボールをインプレーさせる。
つまりスローインだったりゴールキック、コーナーキック、ペナルティキック、フリーキックなどだ。
Jリーグ創成紀のころ、アントラーズvsヴェルディの試合でジーコがペナルティスポットに置かれたボールに対してつばを吐いて退場処分になった歴史的な出来事があったが、これもアウトオブプレー中なので退場させてPKで再開だった。
その後にPKを蹴ったのはカズだったと思うが、ボールにつばが付いていたのか、ふき取って蹴ったのかそのまま蹴ったのかは定かではない。