サッカー審判TIPS(34)
キーパーのハンドリング反則
GKは自陣のペナルティエリア内であればボールを手で扱うことができる。
これは、手がペナルティエリア内にあればよいということだ。
GKが相手FWと1対1になった場合などエリアのすぐ外にまで飛び出して行くことはありえるだろう。
そのとき、体はラインの外だが手はエリア内にあってボールを掴むという場面が目に浮かぶ。
これはオッケー。
では、こんな場合はどうだろう。
ボールの中心がペナルティエリアを出ているが、上から見るとボールの端はラインにかかっている。
この場合、ボールはペナルティエリア内にあると判断できる。
そしてこのボールをGKが手でつかむ場合、手はペナルティエリア外にある。
これはハンドではない。
ボールがある場所、そこがGKが手で触れてよい場所であればハンドリングにはならないのだ。
逆にGKの持ち蹴りの場合。
ペナルティエリアのラインを越えて手で保持していたらハンドリングの反則。
ボールがラインに少しでもかかっていればハンドリングにはならない。
だからGKの持ち蹴りの時は副審は真横でよく見極めなければならない。
私は主審をするとき、副審の方にこうお願いする。
「ラインは4つ見てください。タッチライン、ゴールライン、オフサイドライン、そしてペナルティエリアのラインです」
さて、フィールドプレーヤーからGKへの足でのバックパスはGKは手でコントロールすることはできない。
では、バックパスがゴールに入りそうになってしまったためGKが飛びついて手のひらで方向を変えてコーナーに逃げたとする。
コーナーキックで再開か、間接FKで再開か?
これはバックパスを手で扱ったことになるので、たとえキャッチしていなくても相手側の間接FKとなる。
GKが足で一旦ゴールインを防いだあと手で扱ってもだめである。
私は幸いにしてこのような場面に出くわしたことはないが、状況によってはついCKで再開してしまいそうなので気をつけよう。