書き出しは一番楽しい部分です。

もしここでつまづいているようだったら、何かが間違っています。

何回かしっくりくるまで書き直してみることも必要です。

 

起承転結の起の部分ですから、どこまで引っ張るか考えなくてはいけません。

書き出しがあまりに長くなってしまうと、当然のごとく全体もかなり長いものとなります。

とりあえず長く書いてもいいのですが、後で大幅に削るのがうまく書く秘訣です。

あまりに長いと言いたいことがぼやけてしまうからです。

 

書き出しは幼少期や学生時代の記述になる場合が多いと思います。強く記憶に残っていることから書き始めましょう。

古いもの順に時系列通りに書いて、カットバックは用いないようにしたほうがいいと思います。

 

人が羨むような内容なら極力謙虚に、逆に悲惨な内容なら明るく書いて、読者に不快感を与えないようにしましょう。

 

 

 

うちの両親は教育ママや教育パパではなかったのだが、なぜだかお茶の水大学付属小学校を受験させられた。

今はどうだか分からないのだが、当時はほとんどの受験生が合格する簡単な筆記試験があり、最後はくじ引きで合格者が決められたような気がする。あるいは、最初からくじ引きだったかもしれない。

お茶の水大学付属小学校は茗荷谷にあるので、当時だと国際興業バスで池袋まで出て、そこから丸の内線に乗り換えなければならなかった。

これはとても面倒だ。

わたしは不合格だったのだが、とてもほっとした。

その結果、区立高松小学校に入学することになる。

初登校の日、男と女の人の顔が書いてある紙を配られ、

「このふたりの絵に眼鏡を書き加えてみましょう」

と言われた。

お茶の水大学付属小学校でのテストの内容は全く覚えていないのだが、高松小学校で指示されたこの内容は、はっきり覚えている。

子供心にこれは、

「反社会性を見ているのではないか」

と思った。

いずれにせよ、馬鹿にされているような気持ちになった。

小学一年でこんな見方をしていたのだから、その頃から天邪鬼の萌芽は芽生えていたのだろう。