さて、これまでで準備は整いました。
いよいよ船出です。
書き始めていきましょう。
書き出しに当たってひとつ考えなくてはいけないのが人称です。
私は東京都新宿区で生まれた。
と、書くのか、
木村忠啓は東京都新宿区で生まれた。
と書くのか、ということです。
小説創作においては結構大きな問題なのですが、自分史においてはどちらでもいいように思います。
自伝を読むとたいがいは、「わたしは~」と書かれています。
しかし、自伝と自分史はちょっと違うかな、と思っています。
私は、と書くと主観的に、木村忠啓は、と書くと客観的に書くのが容易になると思います。
少し書き始めてしっくり来るほうを選べばいいでしょう。
人称が決まったら、起承転結に従って書いていきます。
カットバックは使わず、時系列的に書いたほうがいいと思います。
まずは幼いころの思い出を書いていきましょう。
当時聴いていた音楽だとかテレビ番組なども書くといいでしょう。
さわりの部分を自分でも書いてみます。
わたしは新宿区で生まれた。
新宿といっても中落合なので、限りなく豊島区に寄った土地だ。
聖母病院といってなぜかキリスト教の病院だった。
当然、そのころの記憶はない。
最初の記憶は幼稚園時代まで飛ぶ。
通っていたのは忠信幼稚園と言って池袋にある幼稚園だった。
国際興業バスで通っていたように記憶している。
いや、バスで通ったのは数回で送迎してもらっていたのかもしれない。
はなはだあやふやな記憶だけれども、初めてバスに乗る際に、とても緊張したのは覚えている。
調べてみると、忠信幼稚園は岩倉具視の娘が創立した幼稚園だそうだ。
地元ではけっこう名門幼稚園らしく、親の期待が込められていたんだなあ、と改めて感じた。


