世界に13億人もいるカトリック信者の頂点に立つのがローマ教皇です。
そのローマ教皇は、137人の枢機卿の選挙により決められます。
映画「教皇選挙」はその選挙の様子をスリリングに描きます。
映画では、3人の野心的な有力候補者が登場します。
主人公のローレンス枢機卿は、はっきりと「自分は教皇にはなりたくない」と言い切っています。
友人であるベリーニ枢機卿とともにリベラル派で、保守派の教皇選出をタッグを組んで回避しようと画策します。
ストーリーは「誰が犯人か」を「誰が選ばれるか」に置き換えたようなミステリー仕立てで進んでいきます。
派手なアクションシーンはありませんが、よくできたストーリーです。
特に伏線の張り方が見事です。
ローレンスは「確信(certenity)の人は教皇にふさわしくない。疑念を持って揺れ動いている人がふさわしいのだ」と語っています。
確信の人は自分の意見を曲げません。自分は変わらず、相手を変えようとします。
多種多様の信者がいるカトリック教会においては、時には考え方の違いを認める寛容性が必要だ、と言っているのです。
この伏線はラストでしっかり回収されます。
ローレンスもベリーニも「教皇などまっぴらごめんだ」と言っているくせに、いざ自分が選ばれそうになると教皇としての自負を語ったりします。
13億人のトップにはそれだけの魔力があるのでしょう。
これは「エクソシスト」などの正統派悪魔映画に多く出てくるテーマだと思いました。
誘惑の前に負けてしまう弱い生き物が人間です。
しかし、弱いからこそ何かを求め、何かを信じて生きていくことが大事なのです。
最後では主人公が迷い亀を池に戻すシーンがあります。
ローレンス役を演じたレイフ・ファインズは、
「精神的な自立のシンボルだと思う」
と語っているそうです。
みなさんはどう思いますか?
教皇候補のひとりを演じるスタンリー・トゥイッチ氏はどこかで見たことあるなあと思っていたら「シャル・ウイ・ダンス」で竹中直人氏が演じていた役をハリウッドリメイク版で担当していた人でした。
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