少し早いのですが、今年のBESTシリーズ。
第一弾は映画編です。
2024年はあまり映画を観られなかった一年でした。
娯楽映画で話題作が少なかったせいかもしれません。
いっぽうで、秀逸なドキュメンタリー映画が多かったようにも思います。
少し小粒な映画が多かったなかでの選択となりました。
第3位
「ネクストゴールウインズ」
第三位は、「ジョジョ・ラビット」「マイティ・ソー」シリーズのタイカ・ワイティティ監督による実話をもとにした映画です。
配給元がディズニーということでも分かるようにポジティブなスポーツ映画。
世界最弱のサモアサッカーチームbが悲願の1勝を挙げる過程を描いています。
こう書くと同じディズニーの「クールランニング」を思い浮かべる方もいると思いますが、確かに似ています。
けれども「クールランニング」は陸上のトップアスリートがボブスレーに挑戦するというものでしたが、こちらにはトップアスリートは登場しません。
一般には「ダメ人間」と呼ばれるような人ばかり登場します。
一番のダメ人間は監督です。彼は自己否定感が強く、そのため選手に辛く当たります。そんな監督の再生物語でもあります。最後のサプライズにはホロリとさせられました。
人生の目的はひとつだけではない。ひとつの夢が終わったとしても、次の夢がある、ということを教えてもらった映画でした。
第2位 「フジコ・ヘミングの時間」
以前からフジコ・ヘミングの名前は知っていましたが、名前だけで作品等はほとんど知りませんでした。実はお亡くなりになったのも知らなかったくらいです。
「追悼」という予告編に付けられた言葉でお亡くなりになったのを知ったのですが、この映画を観て、生前にフジコさんの演奏を聴きにいかなかったのを強く後悔しました。
若い頃、フジコさんはピアニカとしてクラシック界の新星となるチャンスがありながら、そのチャンスを逃します。それでもくじけず、夢を追い続け、60歳を過ぎてからブレイクするのです。
これは決して偶然ではありません。
ひねくれたり、諦めたりせずに愚直に自分の道を進んできた当然の結果だと思います。
このドキュメンタリー映画はそんなフジコさんの金言集でもあり、言葉の宝石箱です。
一例を挙げると、
CDが大ヒットして、うれしいかと聞かれて、
「うれしいですよ。わたしの救える命はほんの少しかもしれないけれど、それでもお金があれば、いくらかの命を救える」
お金の使い道について、
「わたしは、天国に貯金している」(実際は動物愛護団体等に多額の寄付をしている)
とても素晴らしい映画でした。
第1位「サウンド・オブ・フリーダム」
アメリカのトランプ氏を優しさの欠片もないと評した人がいましたが、その通りだと思います。
強さこそ正義というのは偏った価値観です。
アメリカは正義の国だと思っていたのですが、今ではとてもそうとは思えません。
強い者は弱い者をいじめ、弱い者はさらに弱い者を探す。
そんな世の中の傾向はペド(ペドフィリア)、小児性愛という倒錯した性癖を産み、自国以外の貧困国から幼児を人身売買するという恐るべきマーケットを形成するようになりました。
映画のエンドで流れる「現代は歴史上において最も奴隷が多い時代である。奴隷のほとんどは幼児で、最大の輸入国はアメリカである」というテロップを見て、愕然とする思いがしました。
そんな中、この映画の主人公で実在の人物である米国安全保障省の捜査官、ティム・バラード氏が存在するのもアメリカです。
バラード氏は誘拐された兄弟のうち弟は助けることができたのですが、姉のほうは助けられませんでした。
周囲はひとりだけでも手柄だとほめてくれますが、ふたりの親に「あなたには子供がいますか」と尋ねられます。
バラード氏には誘拐されたふたりと同じくらいの子供がいます。
「います」と答えると、ふたりの親は「あなたは娘のベッドに娘の姿がないのに、眠ることができますか?」とさらに問いを重ねます。
この問いはバラード氏の胸に深く突き刺さります。
その結果、バラード氏は自らの良心に従って捜査官を辞めてまで、関わった子供を救出に行きます。さらに自分の命の危険さえ顧みず、ジャングルの奥地にいるゲリラ部隊に潜入します。その信念の強さには頭が下がります。口先だけの人間が多いなか、彼のような行動をとる人がいるのはすごいことです。
バラード氏に協力するヴァンピロという元悪党がいるのですが、演じたビル・キャンプの好演が光ります。
アメリカに限らず、ペドのような人間とバラード氏のような英雄が同じ国に住んでいるが現代です。
自分は性善説派だけれど、ペドのようなカス人間を見ていると、考えを変える必要があるように思えてきてしまいます。
ともあれ、バラード氏に拍手を送る意味もあり、この映画を本年の1位とします。




