インターネットを見ていたら握力や前腕を鍛える懐かしい器具を見つけました。

旧名・ダイナビーです。

ダイナビーが一世を風靡したのは1970年代半ばですから、年号で言えば昭和五十年前後になります。

現在ではパワーボールという名前になって販売されています。

販売しているのは、パワーボールジャパン(株式会社オレメカ)という会社です。

現在ではフォルムも昔とは比べものにならないくらい格好よくなっています。

ですが、現在この商品を扱っているのは、アイルランドにあるRPM SPORTSという会社で、昔ダイナビーを売っていた会社ではないようです。

あれほど一世を風靡したダイナビーなのに、調べても調べても販売会社が見つかりません。

 

 

アメリカのサイトを調べてみると、かすかな手掛かりがありました。

1973年、イリノイ州ピオリアのArchie Leon Misher という人が特許を取っていたのです。

特許の内容は、入力した振動の数十倍の周波数の回転運動を発生させ、保持し、さらに運動エネルギーを大幅に増大させる機構(2010年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集「ジャイロ型発電機の定常微小振動特性」岸本幹史ら)です。

この器具に電磁誘導機構を組み込めばジャイロ効果を使った発電機が発明できるそうです。

ジャイロとは自転運動する物体のことで、ジャイロ効果というのは物体が自転運動をすると(自転が高速なほど)姿勢を乱されにくくなる現象を指すようです(wikipedia)。

 

かなり難しい内容になったのですが(文系の自分にはまったくわかりません)、ダイナビーは最初からトレーニング機器として開発されたのではなく、発電システムの開発途上で生まれた副産物だったようです。

 

それにしても、この機構をトレーニング器具に使おうと思ったのが誰なのでしょう。

特許申請者のArchie氏なのか、それともどこかの企業がArchie氏に持ち掛けたのかは分かりませんが、なかなかすごい思い付きです。

 

RPM SPORTS社とダイナビーはまったくつながりがないようです。

ただ同社の起業が1998年とあり、アメリカの特許の有効期限が20年ですから、特許が切れてしばらくしてからのころとなります。

ダイナビーブームが終わってから、1990年代後半まではこの手の商品は製造されていなかったのかもしれません。

もっとも同世代の人にダイナビーのことを話しても通じない場合もあるので、ダイナビーブームは東京周辺のブームであり、規模としてはたいしたものではなかった可能性もあります。

 

それにしても、昔のダイナビーと現在のパワーボールは格段の差です。

フォルムだけでなく、操作性も抜群によくなっています。昔のダイナビーは回転を上げるのにかなりコツを必要としたため、途中で嫌になってやめてしまった記憶がありますが、今の製品は簡単に回転数を上げることができます。

前腕や握力を気軽に鍛えることのできるので、自分のいまのお気に入りとなっています。