今年は母の死を経験して、これまで生きてきた中でもっとも死について考えさせられた一年でした。

また、好きだったアーティストが次々に亡くなった年でもありました。

 

クリスマスイブの今日、故人に追悼の意味を込めて、ご紹介したいと思います。

 

➀KANさん

 

「愛は勝つ」がスマットヒットすぎたせいで、一発屋の印象を持つ人がいるかもしれませんが、KANさんはクラシックの素養をバックボーンに持つ優れたアーティストです。

アーティスト間でも評判が高く、リスペクトを集めていたと聞きます。

トータス松本氏によると「アイビールックが好きだったのに、アメリカ嫌いで欧州好きだった変人」。

槇原敬之氏によると「KANさんのようにピアノが弾けたらどんなにいいかと思った」。

 

KANさんが才能あふれるアーティストであるのは間違いないのですが、商業的に大成功したかというとそうではないのは事実です。

これは想像でしかないのですが、KANさんが大成功しなかったのは、商業的な成功よりも自分のスタイルを貫くことを大事にしたアーティストだからのように思えてなりません。

ですが、好きなことで食べるお金に困らないだけ稼げ、自分の理想を追い求められる人生が送れることこそ、何ごとにも代えがたい成功ではないでしょうか。

 

KANさんのChristmas Song2023には、

aiko、トータス松本(ウルフルズ)、スキマスイッチ、根本要(スターダストレビュー)、泰基博、馬場俊英、槇原敬之などそうそうたる実力者が集結しました。

 

KANの中で一番大好きだった曲を。

バックバンドもツインドラムスにギター3本といった豪華な構成になっています。

 

すべての悲しみにさよならするために

 

 

②谷村新司さん

 

自分が中学生のころ、文化放送の深夜放送で「セイヤング」という番組がありました。

夜の1時から3時までの番組で、当時はタイマー録音などということもできず、聴くには眠い目をこすって起きていなければなりませんでした。

夜は眠くて仕方なかった中学生の木村少年も水曜日の谷村新司さんの「セイヤング」を頑張って聴いていました。

この番組の中で圧倒的な人気を誇っていた「天才・秀才・バカ」というコーナーを聴きたかったからです。

当時はメモして翌日、学校で回覧していた記憶があります。

あと、わたしの叔父が昔、赤坂でうどん屋さんを営んでいたのですが、そこに谷村新司さんが来たそうです。

そのころは「チャンピオン」がヒットしていたころで、すでに谷村さんは誰もが知っているような存在になていましたが、叔父は知らかったそうです。

すると、谷村さんはギターをケースから出して、唄を歌って、

「これからはよろしくお願いします」

と頭を下げたそうです。

なんとも谷村さんの人柄が思いしのばれるエピソードです。

 

谷村さんの曲は、「セイヤング」のエンディングで使われていたこの曲を。

 

陽はまた昇る

 

③鈴木孝子さん(ピンクサファイア)

この記事を書いている途中、ピンクサファイアのギターだった鈴木孝子さんの訃報を知りました。

ピンクサファイアは「いかすバンド天国」出身のレディースバンドです。

このバンドの曲では「P.S.アイラブユー」ばかり有名ですが、いい曲はたくさんあります。

実力もあり、かなりロックしていたバンドでした。

いまだったらSCANDALみたいなバンドだったと思います。

活動は5年間で8枚のシングル、8枚のアルバムを発売。

ボーカルの塚田彩湖さんが1994年、結婚を機に脱退したのがきっかけとなって、翌年には解散してしまいました。

 

オーディション番組から出たアマチュアバンドがいきなりトップスターになったのだから、本人たちの意思とは違うところでプロダクションやレーベル会社の「大人」たちが自分たちの方針で動かそうとしたのだと思います。

その結果、ロックとポップのいいところどりしたような中途半端な路線になってしまった気がします。

いいとこどりといえば、プリンセスプリンセスのような成功例もあるのだから、あながち間違いでなかったのでしょうが、個人的にはもっとロック寄りのバンドになってほしかった思いはあります。そうすれば、SYO-YAのようなバンドになれたと思っています。

 

ピンクサファイアを知らない人はもっと他の曲も聴いていただきたいのですが、すでに鈴木さんがすでに癌を患っていた2017年に収録されたLIVE版がとてもいいので、ご紹介します。

 

P.S.アイラブユー

 

この他にも、今年はもんたよしのりさんや大橋純子さんなど想い出に残る方がお亡くなりになった一年でした。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。