中華バールラマラメイで開かれた全日本日本酒愛好会の模様をお伝えする最終回です。
各人の日本酒ベスト3発表のあとは、持ち寄った日本酒の試飲会。
タイプの異なる三つのお酒が用意されました。
まずは、渡辺酒造店(岐阜県飛騨市)の「W ダブリュー 愛山 純米無濾過生原酒」。
いま岐阜県内で最も元気がいいのではないかと思われる渡辺酒造店。
日本で一番笑顔溢れる蔵を目指しているとのこと。
主力銘柄は「蓬莱」ですが、別コンセプトで造られているのが、この「W」です。
スペックは下記の通り。
- 原料米: 兵庫県東条産 特A愛山100%
- 精米歩合:50%
- 日本酒度:-3.5
- 酸度:1.4
- 酵母:M310
- タイプ:純米無濾過生原酒
- 度数:16.4%
次に司牡丹(高知県高岡郡)「船中八策」。
辛口好きの日本酒愛好家から評判の高い司牡丹酒造のお酒です。
まずはスペックを見てみましょう。
酒質 |
純米酒 |
日本酒度 | +8前後 |
酸度 | 1.4前後 |
アミノ酸度 | 1.1前後 |
アルコール分 | 15度以上16度未満 |
使用酵母 | 熊本酵母(自社培養) |
精米歩合 | 60% |
日本酒度が先ほどの「W」の-4から一気に+8になりました。
常温でいただきました。
飲む順番が悪かったのだと思いますが、少し強すぎるような印象が残ってしまいました。
食中酒としてもすぐれているようですが、洋風料理とはあまり相性がよくないかもしれません。
逆に和食にはぴったりのお酒だと感じました。
とくに熱燗にして、塩辛のような料理と合わせるとぐっとくると思います。
最後に(株)せんきん(栃木県さくら市)「仙禽 オーガニック ナチュール〈0:nigori〉」。
あまりにもコンセプトが面白くユニークなので、HPをそのままアップしてみます。
実は、このお酒を購入するときに恥ずかしながら精米歩合を見て、90%磨きだと勘違いしていました。
逆で食用の米と一緒で10%しか磨いていないのです。
製法は生酛造り。
しかも、超古代製法で木桶仕込みとあります。
まったくどんなお酒なのか想像がつきませんでした。
グラスに注いでみると、うす濁りの微発泡です。
「モダン仙禽」を想像していたのですが、全く違うお酒です。
「モダン仙禽」はジューシーで飲みやすいお酒ですが、この「仙禽 オーガニック ナチュール〈0:nigori〉」はどっしりとしたお酒で生酛造り特有の酸味を有します。
飲み手を選ぶお酒といっていいと思います。
女性が多かったせいか、今風の「W」が最も人気が高かったのですが、たった三本でも全く異なるお酒が集まったことで、日本酒の奥深さを知る結果となりました。
会は、今後も地味に活動していきますので、よろしくお願いいたします。