2022年に読んだ本のベスト3です。

これはわたしが今年読んだ本であり、発行年度は2022年でない本も含まれます。

仕事柄なのか、最近はあまり小説は読んでいなくて、もっぱら専門書やノンフィクションを読んでいます。

そのため、今回も純粋な小説はベスト3の中には入っていません。

 

第3位

脱出老人

(水谷竹秀)

 

中年やシニアになってからフィリピンに移り、永住を決意した人々を書いたノンフィクションです。

こういう選択肢もあるのか、と新鮮な驚きを覚えました。

八方ふさがりになったら、フィリピン脱出もありだな、と真剣に考えさせられました。

 

 

第2位

江戸にラクダがやって来た

(川添裕)

 

この本は横浜国立大学名誉教授の川添裕氏による力作です。

鎖国政策を取っていた江戸時代ではあるが、海外からさまざまな動物が輸入されていました。

有名なところではゾウがいるが、ラクダも人気を博しました。

ラクダが日本に輸入されたのは文政四年(1821年)から文政七年(1824年)の間。

ちょうどいまから二百年前となります。

いまから百年前はスペイン風邪が大流行、二百年前も「だんぼ風」と呼ばれる流行り病がまん延していました。

その中で見世物のラクダを見にいくことは、悪病避けの効果があると思われていたそうです。

ラクダの人気の沸騰ぶりから、凋落していくさま、果ては落語の「らくだ」に至るまで、調査は微に入り細を穿っており、膝を打つことしきりでした。

 

 

第1位

相良総三とその同士(長谷川伸)

 

股旅ものの名手として人気のあった長谷川伸のライフワークとも呼ぶことのできる赤報隊隊長・相良総三を調査した労作です。

「十有三年、乏しき力を不断に注いで、ここまで漕ぎつけたこの一冊を紙の記念碑といい、紙の香華とわたしは言っている」と作者は語っていますが、プロの小説家が執念と時間を掛けて調べるとここまでの本になるのか、と改めて感じさせられたすごい本です。