巨星墜つ!

 

昔風の表現をするとこうなるのでしょうか。

 

作曲家の小林亜星さんが亡くなられました。

「レナウン娘」「あの樹なんの樹」「ぱっとさいでりあ」などのCMソング、「ひみつのアッコちゃん」「魔法使いサリー」「狼少年ケン」などのアニメソング、「北の宿から」のような歌謡曲と、自分のような世代の人間にとっては懐かしい曲を作った方です。

 

同時にタレントとしても活躍しました。

「寺内貫太郎一家」で、昔ながらの頑固一徹親父を怪演していました。

その時のイメージがかなり強く、怖くて融通の利かない人と思っている人も多かったのではないでしょうか。

しかし、小林さんは渋谷生まれで慶応大学のときからジャズメンとして活躍した人物。

実はかなり進取の気性に富んでおられたのではないかと思われます。

 

作曲家は片手間に行っていたかのように思っていましたが、小林さんの作曲した数は、なんと5000曲!

驚異的な数です。

とても片手間なんかで行えるものではありません。

 

(79) 「小林亜星メドレー」 海上自衛隊 舞鶴音楽隊 橿原神宮『トワイライトコンサート』 - YouTube

 

こうして聞いてみると、あの曲も、この曲も、という感じです。

 

その小林さんは2016年に中山秀征さんとの対談で次のようなことを語っておられました。

 

「国民もあまり考えてないよね。そういうときにふと、戦争が始まるんですよ。ヒトラーだって選挙から出てきたんですから。僕たちの経験からいうと、もう第三次世界大戦が始まっちゃってるね。それは国と国で撃ち合うとかではなくて、個人、ひとりひとりがとんでもないことをしている時代になっているということ」

 

競争に勝ちぬくことばかりを目的にしてきた人がリーダーになると、勝つことが至上主義となり、勝利以外のことが切り捨てられていまう、というのです。

深く、蘊蓄のある言葉だと思います。

 

小林さんが作った曲の中で一番懐かしく感じたのは、サントリーオールドのCFソングに使われた「人間みな兄弟~夜が来る」です。

今晩は、この曲を聴きながら、オールドを飲みたいと思います。

 

 

(79) SUNTORY OLD WHISKY サントリーオールド cm song 作曲 小林亜星 - YouTube