7月15日の午後は会派の議員とグループ会派のかじや議員とで

箕面市の人事給与構造改革の取り組みについて視察させていただきました。


お忙しい中ご対応頂きまして誠にありがとうございます。

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(市役所前にて)

若手職員の提案⇒市長が受け入れバックアップしながら進めた。
という印象です。

市長が若手職員の提案を受け入れることや、
様々な反対もある中、一度やると決めたらやりきるところとか、
当たり前のようでなかなかないように思えます。





番外編はこちら


箕面市のHPにも制度の概要がわかりやすく示されたものがありますので、
そちらも合わせてご覧いただければと思います。

説明資料(PDF)

新制度のコンセプトは
年齢×処遇の一致から責任×処遇が一致する制度へ!



大きな取り組みとしては


■給料表の重なりを解消。
写真 2014-07-15 18 39 32.jpg
↑箕面市は重なりゼロポイントがあります。


給与現状.png
↑枚方市は重なっている部分が多いです。



現行の給料月額から減額される方については、
毎年最大5000円を減額していき、新制度の中に入るまで下がっていきます。

ex3万円下がる方は平成27年度から毎年5000円ずつ、6年かけて下がります。



それとともに、給料表を分離。

従来は1つだったものを
行政職給料表
技能職給料表(給食調理、清掃作業などに従事する方)
専門職給料表(対象は消防職、保育士、幼稚園教諭など)
の3つに。


ちなみに、
技能職給料表は、
人事院で策定している行政職俸給表(二)を参考にしているのではなく、
箕面市の、行政職給料表の5等級以上がないものとなっています。


といっても伝わりにくいと思いますので
写真を載せておきます。


写真 2014-07-16 19 23 15.jpg
↑こちらが技能職給料表

↓こちらが行政職給料表
写真 2014-07-16 19 23 41.jpg





■管理職手当の見直し
現行:7段階で最大で3.7万円の差額。
   minが4.1万円 maxが7.8万円

新制度:6段階で最大8万円の差額
   minが4.5万円 maxが12.5万円


■特殊勤務手当の全廃
今後災害派遣や、PJ業務、競艇で単年度の収益を増やした場合、
債権回収の成績が良い場合などは成績加算を勤勉手当(ボーナス)で支給。


経過措置として、清掃作業手当(480円/日)については、
平成26~27年度は現行どおり。
平成28年度は240円/日
平成29年度にゼロ





■住居手当の見直し
現行:市内市外にかかわらず、2.7万円/月
新制度:市内にのみ9000円/月(10年目までの職員には加算措置あり)

10年目までの職員の加算措置については、
最初の5年は2.7万円、毎年3千円さげて、11年目には9000円。

法的には問題ない。自治体の裁量権の範囲とのこと。
市外がゼロというところは少ないが、
市内に加算している自治体はほかにもある。


この手当の見直しは、コスト削減というよりは政策的な部分が大きい。
災害時の対応や市内に住んでることで気がつくことが多い。道路の陥没とか。
あとは地元にお金を落としてくれるとか。




■退職手当の見直し

現行:退職直前の5年間で算定。
新制度:入職から退職までのすべての期間で算定


人事システムを入れ替えるので、
算定での事務量はさほど問題にならないとのこと。

■多面評価(360度評価)の導入

新制度では、
所属長45%
上司25%
同僚5%
部下15%

業務上のつながりのある他課の同僚10%(5%の比率で2人)

の比率で評価をする。

■多能評価の評価者はどう選定?
同じ職階で仕事と関わりありそうな人。

他課。
なんとかつながりのある。
指名が1週間。
つながりのある人を見つけてください。という話が来て、
10日間で評価する。


監査委員、選管とか独立系の部署は確かにつながりが少なくて難しい部分がある。

一方で、企画や財政などの様々な部署と常に仕事をしている部署は、
多くの人の評価をしていることがある。


企画、財政、人事あたりは
20~30人評価している。


入職1年目でも評価者になることがある。
評価者研修はできずに説明会しかできなかったが、
今後は、10月に全職員を対象に評価者研修をする。


大変じゃないのか?
という質問に対しては、

1人が評価する項目はシンプルになった。


これまでは1人が1人を評価するのに、
20項目を5段階で評価。

これからは、
1人を1人で評価するのには、
意識・能力・功績・業績を踏まえて、
総合的に、S・A・B・C・D・Eの6段階評価。


S 200点
A 160点
B 140点
C 100点
D 80点
E 40点

これに先ほどの、
新制度では、
所属長45%
上司25%
同僚5%
部下15%
業務上のつながりのある他課の同僚10%(5%の比率で2人)

を掛け合わせて200点満点にする。



しっかりバラつきが出るのか。という質問に対しては
どうしてもBが多くなる。

ただ、全体調整をかけて、絶対評価をするので最終評定はわかれる。





部内、庁内で甘辛調整をして
最終評定は絶対評価。

(庁内全体での甘辛調整会議は3日かかったとのこと)

同じ等級での比較。
課長級と係長級を同じ序列の中に入れない。
課長の中での絶対評価、係長の中での絶対評価

Ⅰ~Ⅴの5段階。成績上位から
Ⅰ:5%  ⇒6号給UP
Ⅱ:20% ⇒5号給UP
Ⅲ:60% ⇒4号給UP
Ⅳ:10% ⇒2号給UP
Ⅴ:5% ⇒昇給なし。



昇格降格もこの評価に基づいて実施。
2年連続でⅠ、Ⅱの人は昇格リストに。

2年連続でⅤは降格候補者リストに。



※新人でいきなり上がらないのは少し酷ではないか?
という質問をしたところ、
特例として、新入職員4年間はⅣ~Ⅴがついても4号給はUPするとのことです。

公務員ってたくさんもらっているような印象受けるかもしれませんが、
新入職員はそんなに多くないです。なので、この特例措置は私も賛成です。




■人件費への影響は?
管理職手当の見直しや、成績加算、給料の重なりをなくすことでのUP分


特殊勤務手当の全廃、住居手当の見直し、給料の重なりをなくすことでのDOWN分

があります。

平成27年度から33年度の7年間は人件費抑制光化学が1.2億円。
それ以降は毎年マイナス1.1億円程度になるとのことです。




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以下は視察中に質問させていただいたことなのです。
上の部分に関連するものは中に入れております。

■そこそもの発端は?市長のトップダウンなのでしょうか?

市長自身が若く、若手職員と飲みに行ったりする中で、
酒の席の中で、「今の人事制度おかしないですか?」
という声があり。

市長自身は国家公務員だったので、
問題意識を持っていなかったが、
若手職員が問題意識を抱えていた。

そこからあるべき人事制度を考えるプロジェクトチームが立ち上がった。


メンバーは11人。

全員民間企業での勤務や派遣など、
新卒で入職して、ずっと箕面市役所というメンバーはいない。

またゼロベースで考えて欲しかったので、
人事課など人事制度に精通した人間もいなかったとのこと。
固定概念に縛られる可能性があるからということで入らなかったようです。

ちなみに、箕面市の場合は、以下の企業や省庁との人事交流があるとのことです
阪急、関西電力、ダイキン、国土交通省、経産省、総務省、文科省、
被災地である岩手県の自治体。



PJチームで作ったものを職員課に投げた。
市長からは、法的な問題や事務的な問題がない部分以外は、
PJチームのたたき台のコンセプトを大事にしてくださいと言われたとのことです。



■職員からの評価は?
職員にアンケを実施したところ・・
若手職員と課長級は賛成。
(給料が上がる人)

40代後半、50代の一般職は給料が下がるということで反対が多かった。
最終的に毎年5000円/月というところで交渉が成立したとのこと。

減額に時間がかかるので
新制度の本来の額になる前に退職される方もいるだろうと。


■組合との交渉は?
ほぼ全部が議論となった。
予備交渉は30回
団体交渉は5回。

本来は2月議会に出す予定だったが、
交渉をしていたため6月議会での成立となった。




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