着物まわりのサイズ表記で、長さを表す時に、尺(しゃく)とか寸(すん)といった単位を聞くことがあります
あれって一体どんな単位なの?
そんな疑問にお答えします
こんにちは、京都市山科区で
夫と2017年生まれの娘の3人暮らし
着付け講師のきむら くみこ です
今回は、着物まわりで使う長さの単位についてご紹介します
着物まわりで使われる、長さの単位って?
着物など和装関係の布などを測る時に使われる長さの単位に、「鯨尺(くじらじゃく)」というものがあります
尺(しゃく)とか、寸(すん)といった単位を聞かれたことはありますか?
普段、m(メートル)やcm(センチメートル)といった単位を使うことが多いので、馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんね
鯨尺の由来は、その名の通り鯨の髭から来ていて、ものさしの材料に鯨の髭を用いていたことが始まりと言われています
尺や寸といった単位は、日本の伝統的尺度で、古代からほとんど変わっていません
1959年(昭和34年)に法律により鯨尺の製造・使用は禁止されましたが、それまではごく一般的に使われていた単位です
そして、1977年に、製造ならびに販売が再度認められることになりました
鯨尺の一尺ってどんな長さなの?
では、実際に鯨尺の単位とは、どのような長さなのでしょうか?
一丈(じょう)= 約378.8cm
一尺(しゃく)= 約37.88cm
一寸(すん)= 約3.788cm
一分(ぶ)= 約0.3788cm
このように、
1丈=10尺 一尺=10寸 10寸=10分
1丈=10尺=100寸=1000分
となります
例えば、着物の裄(ゆき)の長さが1尺8寸だった場合、約68.18cmとなるのです
鯨尺と間違いやすい単位:「曲尺(かねじゃく)」との違い
尺や寸で表記される長さの単位には、鯨尺の他に、曲尺(かねじゃく)という単位もあります
曲尺というのは、主に土木建築に用いられる単位で、実は鯨尺とは違う長さの単位なのです
これがややこしい
曲尺の1尺は、約30.3cm
鯨尺の1尺は、約 37.88cm
鯨尺 1尺は曲尺の 1尺2寸5分に相当します
これも知っておくと便利!反物に使われる単位
鯨尺の尺や寸といった単位の他に、お仕立て前の生地には、こんな呼び方も使われます
反(たん)
着物を仕立てる前の生地のことを反物(たんもの)といいますが、その反物を数える際には1反、2反、3反と数えます
1反=3丈=30尺 となっており、大人の着物1着を仕立てられる反物の長さになっています
また、呉服業界では3丈物(さんじょうもの)という呼び方も使われます
なぜ3丈物という呼び方をするかというと・・・
通常の着物よりも長さが必要な着物を仕立てる場合、例えば、袖が長い振袖や、八掛(裏地の一部)にも同じ生地を使う場合などは、通常よりも長い、4丈物(よじょうもの)=40尺の長さの反物を使うこともあるため、区別するために使われます
疋(ひき)
反(たん)の他にも疋(ひき)という単位も着物の仕立ての際に用いられることがあります
1疋=2反にあたるもので、大人の着物を2着仕立てられる長さということになります
着物+羽織を同じ生地で作られる「アンサンブル」も、こちらの疋の反物で仕立てることができます
まとめ
いかがでしたか?
鯨尺といった和装に関する単位は、普段の生活では接すること少ないかもしれません
今では、お仕立ての寸法を、cm(センチ)で依頼することができたり、お仕立て上がり品やリサイクル品も、cmでサイズ表記されていたりしますよね
でも、和裁士さんがお仕立ての際に使う単位は、基本的に今でも鯨尺
なので、お仕立てを依頼する際には、分単位(3.8mm単位)でしか指定ができなかったりします
そうすると、こちらがcmで依頼しても、四捨五入されて、少々誤差が生まれることになるのです
和装を楽しみたい方は、ご自分の身長や裄といった寸法が何尺くらいあるのか、頭に入れておかれるといいですね
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