ドイツ在住(日本人) 友人の友人からのドイツ情報
※ ドイツ ベルリ ンでは一人、60 万円の経済補償を開始。
3 月 27 日、非常事態に対する経済補償が始まる。
ベルリンではこの日に市のホームページに 経済補償の申請の案内がオープン。
補償額は一人 60 万円。補償を受けた友人に聞 いた。27 日に申請画面を開けた。
3 頁の質問状にチェックをするだけ。 画面で提出 したら 2 日後には 60 万円
(5 千ユーロ)が振り込まれていた。
個人事業主、フリーランサーなどへの休業補償も 別途ある。1 件当たり 110万円
(9 千ユーロ)。 ただし、これは家賃など事業継 続に必要な経費のみに使える補償。
飲食などには使えない。余ったお金は青色申 告で返金することになる。
政府が納税者を信じているから出来る支援だ。
とにかくベルリンの場合、経済補償は金額が多い事、申請・提出が簡単で 親切な事、
ほぼ無審査で 2 日後入金されることの 3 点、とても素晴らしい対 応だと感心した。
この点から、ドイツはまさに「国民を守る政府」である。
政治家の決断が早い。 問題への科学的理解を国民が共有できる。
だから、各人がどのよ うに行動すべきか、すべきでないかを自覚する。その背景には
初等中等教育に於 ける「自立した個人の育成」がある。つまり、自分で考え、意見を
皆の前で述べ、 議論して、正しい解に近づいていく。 それを小学校から育成する。
知識より個人の自覚、独立性、自立性が教育では優先される。
日本では問題解決のために多数を集め会議をする。時間は予定を超過して
議論は堂々巡り。 リーダーは意見を集約しベストの解を見いだす能力に欠ける。
結局、 継続審議となる。
西村コロナ担当相の専門家会議云々をズバリ指摘 ! (木村)
ドイツ人気質
「社会的距離(social distancing)」として飛沫感染を避けるため、スーパーな どで2mの
間隔が要求される様になった。ドイツ人は規則を守ることでは世界一の国民だと思う。
指示されずとも皆、2mの距離を保って並んでいる。 「ドイツ人が規則を守る国民」。
5 年前にドイツに来たときからの強烈な印象だ。 ドイツ人と車、というとアウトバーン
(全土を網のように繋ぐ高速道路網:無料、 制限速度無し)を超高速で走るドイツ人を
思い浮かべるだろう。ドイツ人は皆 「スピード狂」というイメージ。私もそう思っていた
が、 自分で運転するようになって感心した。市内の制限速度は 50 キロ。全てのドライ
バーが交通ルールを守 り、ゆったりと運転している。信号も守るし、相手に道を譲る。
所が!
一端郊外に出ると視野は広がり、制限速度も100 キロになる。急ぐ車は 120 キロ位い
で走る。中央分離帯のない横を対向車が相対速度 200 キロ以上でビュンビュン通り
過ぎる。最初は冷や汗もの。今は「科学的に安全だ」 という確信が出来、慣れた。そし
て、アウトバーンに乗れば、制限速度無し。大 きなベンツやBMW等は200キロで走る。
ボスは遠距離では最高速度 250 キロで 走るそうだ。速度は車の性能(値段)で決まる。
私はコンパクト車なので普通は 時速 160 キロで走る(これを超えると女房が怒り出す)。
とにかく、ドイツの規則は科学的な根拠に基づく規則で、国民はそれを理解し、 規則を守
る。 この国民性が今回の緊急事態に於ける国民の行動にも反映している。(兎も角頑固)
この危機を個人・社会の改革に生かせ
新型コロナの広がり。大規模な疾病広がりといえばヨーロッパでは「黒死病」 で有名な
中世のペスト流行がある。下の(1)のようにペストにより欧州の人口 はほぼ半減した。
黒死病によ る人口減が、社会体制を大きく変えた。ペスト前の 「領主と農民奴隷」の
関係 は病気後の農民不足から農民の権利が大きく向上、人 権意識が芽生える事にな
る。「人権意識の始まり」だ。当時の「働き方改革」が ペストにより政治主導無く実現し
た。 コロナ感染で自宅勤務も広がった。大学などの研究者には「自宅勤務はまさに チャ
ンス」、である。下の(2)の ニュートンの例にあるように、大学の雑務か ら解放され郷里
の田舎に帰ったニュートンは、 ゆったりした時間が過ぎる中で長 年の疑問に「ひらめき」
を「リンゴは地球に引かれて落ちるのだ」。こん な発想は天才でも長い時間集中できる
時間が無いとひらめかない。 「災い転じて福となす」、「人生すべからく塞翁が馬」。
なせるかどうかは貴方の意識次第。 この機会に貴方の「働き方改革」を見つけて下さい。
以上はあくまでも彼の地からの情報、的を得ている。
*ドイツ在住(日本人) 友人の友人からの報告を紹介。 私も半世紀以上前に一時
滞在(1965~66)していたが変わらぬ気質は、今も尚ハダ感覚で伝わる。 (5/13記)