「サーフェス超高速艇」は色々と報道・解説記事に取上げられ以下はその一部。
 下記記事は 丹羽誠一氏が雑誌「舵」に載せられた詳細記事。
当初に電話の件が述べられているがヤワな対応では無く、サーフェスそれもディーゼル機関と言った途端、言下強烈に否定。 取り付く暇なしとはこの事、 皮肉にも逆に決断を促す結果となった。 成り行きから取材・試乗の申入れは断り一部資料提供のみに止めたが流石、かなりな詳述は以下記事の如く。 記事中アーネソン・ドライブ云々と述べられているが、 五島取締艇 走行時のトランサム(船尾)後部の定常的な後流にヒントを得ていた。    下記コピーは右クリックで拡大
 
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  東京晴海の「ボートショー」出展の際、 日本触媒の常務が挨拶に見え、是非紹介したいので、と強引に腕を引連れ行き先は「舟艇協会」のブース(氏より依頼されてた事が後日判明)。
小柄だが上品な紳士が立って待って居られた。 先の記事にも一部触れているが
因縁の事情は業界では静かに知られていた。 氏から詫びとご苦労だったねの一言で過去のモヤモヤは瞬時に雲散霧消、最も雲の上の存在で、氏の海軍係数は再々活用の世話に。
 
 氏「防衛庁技術研究所」のサーフェス技術は、三菱・下関造船所(高速艇)の金子技師長との協同研究だった事が判明。 その後金子先生(定年後:造船大学教授)は福岡航研に感心し押掛け顧問、 全国各地の講演では福岡航研顧問の名刺が通りが良かったとか。
 
 以下に英文記事コピーと翻訳(汗)を添えときます。
  「サーフェス・プロペラ」高速艇 記事左下 「日本貿易振興機構」(JETRO)海外向け紹介記事
福岡航研はナカシマプロペラと高沢製作所の協力を仰ぎ、サーフェス・プロペラ(半没水)で高速艇「はやて」を建造・完成。 速度35kt(約65km/h)以上可能としている。 同社はサーフェス・プロペラを採用しディーゼル機関で35kt超を記録、実用化に成功した。 従来のプロペラは高速時にキャビテーション現象が発生し、異常振動と破壊に到っていた。  同社はこれらの問題をサーフェス・プロペラ(半没水)で解決をはかる。しかし滑走までの推力の弱さに問題が有り使用を困難にしていた。福岡航研はCFRP(複合炭素繊維)の使用で船体の軽量化を図ると共に、船底前後に2ヶ所ステップを採用し対処。  結果 それら対策が功を奏しディーゼル機関に依る「サーフェス・プロペラ」システムの高速艇が実現したのである。  仕様 全長:11,95m、水線長:10,200m、幅:2.900m、喫水:0.490m  
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   右上紹介記事を訳 (出稿先 不明)  
   Fukoka Kohken はサーフェス・プロペラを採用したディーゼル機関高速艇を開発。速度は35ノット以上の高速走行が可能。 特徴は (1)船体に複合炭素繊維(CFRP)使用で軽量化
(2)船底形状は前後2ヶ所にステップを設け抵抗減少を図る。初の「サーフェス・プロペラ」推進高速艇は 全長11.95m、船幅2.9m、深さ1.48m、4サイクルデイーゼル機関230ps×2基搭載。
 
五島・小値賀上対馬「取締艇」完了後、密漁の船団は北上し、山口県の角島附近に進出。 
五島~対馬~山口と最早追いかけっこの如く、豊北町3漁協からの依頼「新沿岸構造改善事業」 山口県の理解もあり「設計・施工監理」は随意契約を条件。 一通り「仕様書」「設計書」を終え、建造の造船所選定の段階でS造船所社長から入札参加の申込。 事もあろうか筆で1m余り長々と巻紙での依頼状と入札参加の申込書。 
 
 福岡航研とは実績も有り仲良く?と縷々綿々書き綴られた書状を見せられ絶句!  当方生死を彷徨わされただけに言下に拒否、 事情を話し「施工監理」が困難の旨を組合長・理事の理解頂き実施。 地元山口の日本触媒傘下「西日本FRP造船所] 落札建造となる。 社長は以前「運搬船」から何度も挨拶に見えてたが、各社必死の競争入札の中、晴れてのご縁。 会社・技術陣の協力ヨロシク念願の50kt超の記録達成(後日、技術資料を業界紙に無断発表に抗議)
 
 NHK全国ニュースで一般にも知らされ、 問題?の「会計検査院」検査も無事通過。 
高速艇の実績は同時に独自技術の指数・係数と算式を生み磐石かに見えた。
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写真は壱岐・勝本での試走 
 平成元年(1989) あまがせ(山口県・豊北町)
時速50.2kt(92.9km/h)  日本記録達成
 念願の50kt超え! (最初の成功当時、新聞社が可能性を発表)
  ※海上マイル 1.852m  (陸上マイル 1.609m) 
 
 前後するが、最初の上対馬「取締艇」ではM社製主機関の重量・出力「カタログ・データ」実際との相違は、失敗の重要要因で裏付け本物資料乏しく(カタログ性能の嘘は全社共通)。
成功後「日経新聞」を初めマスコミ報道に失敗の経緯含め、三菱重工重役の知る所となり、侘びと共に自腹負担の半額提供を申出。 当時困窮のさ中、有難く戴くと共に詳細データと走行テスト・データ取得の協力を仰ぐ。対馬には当機関の設計責任者・課長スタッフ数名、前日より計測器設置しデータ取得のテスト計測走行を実施。
「サーフェス」 の理論効率が明らかとなる、 三菱重工流石の事後対応に感謝。               
 
 「ウオータージェット」推進 高速艇                                                                                              
 以後 密漁「取締艇」は福岡航研の指名参加は大手メーカーも控える始末、国の公共工事業乍ら「設計・施工監理」「建造」は独断場。 密漁被害の東北からも相次ぐ依頼。 しかし、当該監視海域はワカメ養殖の網が張り巡らされ、自信の「サーフェス・プロペラ」は活用不能に付き、やむ終えず「ウォータージェット」方式で実施。
 
 選定の「機種・メーカー」も限定され、船体・船型や速度域等々マッチング(適合)では困難を伴い、試運転後、私流の独自な解決手法で克服、その代表2例を記述。
 
 一例 「ナカシマプロペラ」(岡山)輸入販売の「イタリア・カストルディー」社製のシステム。
試運転の結果は機関出力余剰で有るにも拘らず所定速度に達せず、担当課長にメーカーと相談するべく求めるが、一向に反応無く事は国の公共事業で失敗は許されない。 最早イタリアのメーカーに出向き担当と技術的疑問点を問い掛け、解決策を諮る事を決意、 即 航空チケットを手配、香港・チューリッヒ経由の便を予約、即搭乗。
 
 朝普通出勤姿のままミラノ(零下5℃)行き。 香港経由ヒマラヤ山脈を越え夜間飛行は点々と街明かりが続く不思議、チューリッヒ乗継、アルプスの雪景色を眼下に翌早朝8時ミラノ空港到着。 迎えの車で「カストルディー」社に到着、会社・工場は大規模、課長の臆するのも理解出来たが、世界を商圏に生産活動のかなり大規模なメーカーだった。
 
 トンチ(氏名)副社長対応は当初極めて慇懃無礼な印象、イギリス紳士の暗い感じはイタリア気質とは聊か違う。胡散臭い扱いだったが懸命な説明と資料と共に技術的な問題点を指摘。
1~2時間経た頃、副社長ヒザを叩く位いに前のめりに通じて来る。 昼休みもトンチ氏自慢のレストランでワインとパスタをご馳走に、その間も会話は尽きず。(*英語圏外の英語は理解し易い)
 
 昼食後、工場を案内され開発部門や実験設備を詳しく見学をしながらの立ち話。                   
試験場脇の机で解決努力は続けられ、互いに納得出来るノズル口径等々問題
解決の対策を即講じるべく決定。 即、部品製作の指令が目の前で担当者に指示、艇は既に納期ギリギリとなり長崎・壱岐の造船所を出航、東北に向け航海中。 翌昼過ぎモスクワ上空経由懐かしいシベリアから北海道、東北を眼下に成田着。 東北上空通過の際、艇は女川附近を天本君同乗し航行中。 回航後1日遅れで部品が航空便で届き現地造船所で装着、試運転結果は大成功!  その間僅か6日間の出来事、何事もやってみなければ捗らずの好例。
過去の経験上、技術的な六感は行動(試行錯誤)実践がほぼ解決、逡巡が負の要因多く。
 
 二例 輸入品に懲り、開発間もない三菱重工製機種を選択、予て営業より売込みに熱心さには期待値も大きく、国産の出現を待望していた。 しかし取付け要領は手にするが詳細は現物装着を待って初めて目にする。 試運転は芳しくない結果となり、 この手の困難は最早想定範囲としか、 試運転後からが本番の覚悟も出来ていた。 
 
 直前、前以って東大・航空科佐藤教授紹介で同造船科K教授を訪ね「ジェット水流」渦流の基本と傾向を尋ねたが、今尚未知の領域である事を確認、従って私の判断が全てを確信する、 なぜなら当事者の自負が私をドライブしてくれた。
 
 一方三菱重工自慢の博士が試運転立会いと協力は有難いが所詮ポンプ屋さん。
懸命に計算を重ね首を傾げるばかり、強引に詳細図面の提供を迫り、改造図を作成、木型からアルミ鋳物で製作。 又同じく未解決の侭回航現地造船所で装着。
 
 要はインテイク(水の吸入口)形状が船体に負圧を生じ、サーフェス初期失敗と同質な問題と捉えその解決を諮った結果、見事に滑走をしてくれた。
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             写真は現地改造後の試運転水平に浮上、最良の走行トリムが実現。      
 所で博士の計算は、 基本Q=μ・A・v2乗  ポンプ式と思われるが、
          Q(流量) μ(効率)  A(ノズル口径=面積)     v(水流速度) 
 より煩雑な計算式を駆使されておられるも、Qとμの最大値を求められている風、
しかし今回より大切なのはv即ち水流の噴出速度を最大限必要は当然な事。
 
 佐藤教授に確認の理論上解明不能ながら流体力学的、 構造上からも当然解決図るべき機能・構造上の面で思う節多々あり。 国産ジェットを応援・協力をする積りで、 三菱重工社内で即断・即決可能な関係者のみ参集の条件で、三菱重工本社東京・丸の内本社で講義を約束する、 しかし当方提案も諸般の事情で中止とした。
後談、要員13名結集の予定だったとか、その後国産継続の情報無く途絶えたのか。
 
 東北の事業含め国の補助事業「会計検査」を伴い競争入札が当然の手続き。
しかし以前の「設計・施工監理」の予算での技術的リスク負担は経営上苦しい。
又、単なる「設計事務所」で随意契約・落札はほぼ前例が無いが押し通す事に。
 
  そこで 山口・豊北町以後、高速艇は国・県の事業含みも全て「商品」としての営業展開をはかり、壱岐「丸茂造船所」協力の元、私自身営業で全国へ飛び回る生活。
会計検査対象の事業での「随意契約」と「会計検査」は、公共事業では稀有な事。
イメージ 3「東京ボートショー」は
大小有名企業、最新の自信作を発表の場。 会場は多くのお客様に触れ会い、プロの情報収集にも晒され専門的な質問も浴びる、詰り本物を試されもする怖い所。     人力飛行機・福岡航研設立以来共に苦労仲間の天本君(左)と晴れて表舞台へ登場の時でもあった。
 
 そこで(有)福岡航研の商品(高速艇)展開を行う上で営業活動を画策、東京・晴海の「ボートショー」出展を行い全国に紹介と共に、水産省担当部局にも招待状を送付。
問題解決にイタリア行きや独自改造も、予算の裏付が解決をスムーズに行えた。
当然「会計検査」で随意契約は各県担当者心配の中検査官の理解を頂き全て了。 
 
 東北の岩手県 広田町・綾里・吉浜、 宮城県 志津川各漁協に納艇の実績。
先の「東日本大震災」では上記地域全て相当な被害・被災と犠牲者に心痛める。
些少ながら各地NPOに協力は他人事ならず、ローカル線で行き来した所。