冷凍されて半年間、どうも、カッチカチのジェノベーゼです。いやー長かったね半年間。半年間だよ?
サラッと言うけど、結構すごいよ半年って。桜木花道って知ってる? スラムダンクの。ダンコたる決意でおなじみの男。彼なんてバスケ始めてたったの四ヶ月で全国区のプレーヤーになったからね。半年も経ってないのにだよ。それ聞いただけでも、半年って、実はすごい日数だってわかるよね。
で、その半年間何やってたかって、簡単にいうとアレだね、凍らされてた。純粋に凍らされてた。寒かったねーものすごく寒かった。いや、冬になるとみんな「いやー今年は寒い」だとか「最強寒波が!」とか「冬将軍襲来!」とか言ってるけど、こっちはそんなレベルじゃないから。凍らされてるから。参考までに聞くけど、凍らされたことある? ないっしょ?
よく北国の人が寒い時に「いや〜なまら凍(しば)れるわ〜」っていうけど、この俺を見ても凍れるって言えるかな。この際だからいうけど、あんたら全然凍れてないからね!カッチカチですよこっちは!
で、ぶつくさぶつくさ何が言いたいって、俺はね、木村食堂のキムケンってやつに言いたいことがあって。ああ、察しの通り、俺のことを冷凍室に閉じ込めて半年間放置した男だ。
彼は確かに、9月ごろ、我々バジルへの熱い気持ちをこのブログで記していた。その証拠がこれだ。
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この時、彼は間違いなく、バジルに対して熱い気持ちを持っていた。最後に収穫した大量のバジルも、ジェノベーゼソースにして冷凍して「これで冬もジェノベーゼできるな」って思っていたはず。
でも、気付いた? もう冬って終わってるんだよね。雪が溶けて川になって地球を潤してんのよね。木々は芽吹き、鳥達は唄い、桜の足音が聞こえてきてるんだよね。
春でぇむん、春でぇむん。かじぬソイソイ、いいあんべえ、はだむちじゅらさ、いいあんべえですよ。
そうこうしているうちにキムケンの野郎が「あ、久々にジェノベっちゃおうかなー」なんて言い始めて、カッチカチになった俺を取り出したんだ。
もちろん、カッチカチになってるから使いづらいのは間違いない。解凍するにも、全て解凍してしまっては使い切れないほどの分量だからな。キムケンが困ってるのにはすぐ気付いたが、俺はいい気分だったね。半年間も冷凍室に閉じ込めやがった報いだとね。
カッチカチすぎる俺を使えずに悪戦苦闘している。しかし奴は諦めなかった。右手にステーキナイフを持ってやってきたんだ。そして、俺をほじくり返しやがった…!
削られたね。ガッシガシに。
それでまた、冷凍室にサッと閉じ込められてるなうですよ。いっそのことひと思いに使い切って欲しかった。でもあいつは「溶けちまうと悪くなるからな」ってすぐに冷凍室に戻した。正論だけど、まあ辛いよね。またカッチカチの日々が来るんだから。
そんな中、キムケンの野郎がボソッと呟いているのを俺は聞き逃さなかった。
「そろそろ暖かくなってきたから、ベランダ菜園の準備しないとな」って。
まずは俺を使い切ってくれよな。
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