それはたしか、社会人になった1年目、今からちょうど7年くらい前の冬のことです。
私は友人と新宿で一杯やろうということで、なまらさみーさみー言いながら、適当にお店を探して入りました。その店は今はもう閉店してしまったのですが、昭和の雰囲気が漂う、レトロで素敵な居酒屋でした。
そこでしっぽりと飲んでいると、メニューに「カエルの丸焼き」があるのを見つけました。
噂では「鶏肉に似ている」などと言われていますが、実際に食べたことはなかったので、この時点では半信半疑です。
何より、私は虫が嫌いなので(昆虫食とか無理です)、こういった類いのものは絶対に注文することはありません。特にカエルについては、幼少期に大きな個体が顔に飛びついてきて以来、本当に嫌いになりました。
が。
シティの男になったばかりの若き日の私には、勇ましさと勢いがありました。若い木村には夢がありました。浪漫がありました! 私は酔った勢いで「大将!カエルをたのむよ!」と言っていました。
ここまできたらためらうことはありませんでした。私はカエルを手で掴み、その肉にワイルドにかぶりつきました。
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鶏肉……だぜ……?
そうです。ほとんど鶏肉でした。むしろ美味しかったです。気をよくした私は「大将、カエル追加で!」なんて言って、まるで焼き鳥を食べるかのようにカエルを食べ続けました。
最期は「兄さん、今日はもうカエル切れちゃったぜ!」という言葉で締めくくられました。
そんなカエルの思い出です。
いつか食用ガエルが手に入ったら、調理してレシピをご紹介したいなと思います。
でも、野生のカエルは未だに怖いです。



