それが甘酸っぱいリンゴのような恋だったとか、心が赤く燃えるような真っ赤な恋だったとかか、そういったことでは全くないのですが、何故だか必ずリンゴのことを思い出してしまうのです。
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中学生の頃の話です。
当時の私はギターに夢中で、その初恋の相手もギターを弾く人でした。彼女は「ギターを弾く人としか付き合ったことがない」と言っていたので、のんきな私は「ああ、これは最終的に俺と付き合うってことか」なんて考えたりもしました。
さすがにお揃いのギターを使うことはなかったものの、偶然にも使っているエフェクター(エレキギターの音を歪ませるやつ)が一緒で、それを知って内心はとても嬉しいくせに「ああ、お前もラットII使ってるんだ」なんてカッコつけてしまったこともあります。
↑ラットIIです。今見てもクールですね。
ただ、なかなか私と彼女の距離は縮まることはなく、「ピザ屋の彼女になりたい」だとか「好きな人やものが多すぎて見放されてしまいそう」など、不思議な発言をする事が多くなりました。
そうこうしているうちに時は経ち、しばらく彼女に会わない時間が続きました。時々「何してるんだろうなあ」なんて思うこともありましたが、彼女のことを思い出すことも次第に少なくなっていきました。
ある日突然、彼女からメッセージが届きました。
「新宿は豪雨」
私は久しぶりに彼女の声を聞いて、懐かしさと愛おしさがぐっとこみ上げてきました。彼女は変わってしまったと自分で決めつけていましたが、何も変わっていませんでした。
その昔、彼女に言われた
「あの日飛び出した、この街と君が正しかったのにね」
その意味が少しだけわかったような気がしました。
それからまたしばらく時は経ち、昔はエキセントリックだった彼女も丸くなり、今では「フレーフレーニッポン!」と明るく歌うようになりました。
焼き林檎を食べながら思い出した、初恋の話。久しぶりにギターを弾きたくなった、秋の夜なのでした。
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✳︎焼き林檎シナモンバター
★★★レシピ★★★
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林檎といえば、アダムとイブが食べた「禁断の果実」として知られています。元ネタは旧約聖書の中での話ですが、その経緯としては「蛇がイブをそそのかして禁断の果実を食べた」みたいな感じで伝えられています。
多くの人が聞いたことのある話だと思いますが、「蛇がイブをそそのかした」ということは、「蛇とイブが喋っている」ということに他なりません。
紀元前から人々は人間以外のものを擬人化して楽しんでいたようですね。
そう考えると、日頃食材を擬人化してくだらないことを書いている私のブログなども、2000年以上も続く高尚な文化の一環なんでしょうね。








