京都の着付け教室 きものシャン
レッスン会場:烏丸御池教室 (京都市営地下鉄烏丸御池駅すぐ)
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※2024年の7月および8月の新規レッスン開講はございません。
(講座やイベントの開催はございます。継続の方は、お申込みいただけます。)
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夏の終わりに夏着物を買う
画像で見ていただいても、張り感、シャリ感が伝わると思います。
小千谷紬の夏着尺
生地そのものは、小千谷地方の白生地。夏用の小千谷紬です。
小千谷は、苧麻織物の産地として歴史があり、いまでも「小千谷縮」が有名ですが、絹物が市場の主流となった明治以降には様々な絹織物への取り組みもなされてきました。
そんな小千谷紬といえば、ひと昔前には精緻な「緯絣」が産地の特徴でしたが、今ではその絣をやるところがほとんどなくなっているため、製織の手間と技術と実際の値段が合わないということもあり、マーケットからその類の品物は姿を消しています。
一方で、小千谷紬といえば「白生地としてのニーズ」が高い織物でもあります。
着尺はもちろん染め帯地としても人気が高く、琉球紅型、京友禅、板締めなどの絞り染めなど様々な「後染め」の商品の中にその姿を見ることができます。
つまりそれだけ、生地としての品質が担保された上でお値段も折り合いがつく材料ということですね。
改めて今回買わせていただいた夏生地を見てみましょう。
しっかりと透け感があり、盛夏用としてぴったりですが
生地の強さ、安定感も同時に素晴らしい風合いです。単衣の透けたものについて、しっかり安定感があるってカジュアル着物ユーザーにはとってもありがたいホンネ。
まさに上等の生地。
ちなみに上等っていろんな解釈があると思うのです。心奪われる圧倒的な見た目の美で評価されるものもあれば、そこまでいかないけれど、普段のオシャレに着て使うにあたって安心できるものもあります。
こちらの小紋は後者の方かな?
お値段も大変にリーズナブルでした。
これは施す加工によって何倍にも差が出る、染め物ならではの話ですね。総手描きでとか、凝ったことをすればいくらでも値段は上がります。
ドレープもキレイ。色も深い。これは正絹を使った織物にしか成し得ない仕上がりです。
ダイナミックな波文様。波柄いいです。カッコいいし清涼感があるし、さらに「品が良い」でしょ。エレガント。着物に仕立てるとより美しく、着る人を輝かせてくれます。
酷暑を乗り越えて
今年は40度なんて日も何度かあった京都ですが、ここに来て改めて、「絹って最強」だと感じました。
着物を着るならまずは絹が基本。
それはシワになりにくい、シルエットが綺麗、着物の構造上、シルエットが綺麗=身に沿っている ということになりますので、着ている人が動きやすくてラクになります。
極論、十二単なんて絹じゃないと成り立ちません。木綿なら一歩も動けないでしょう笑
そして重要な体温調整の面でいえば、まず暑くなりにくい。人間の肌に対する親和性が高い上に通気性が大変良いので、着ていて疲れない。
(撥水に関するガード加工かけてしまってるとこの限りではありません。ご留意ください。)
もし汗だくになっても、臭くならない。
これはまず天然繊維の通気性の良さプラス絹そのものに天然の抗菌性があるためと言われています。
ウールもニオイがつきにくく、残りにくいです。
これはタバコの匂いなどの煙臭についても同じです。
たとえばワタクシ、末端ながらDJをさせてもらってますが、一晩クラブでDJして明けた翌朝の着物、肌着まで独特の(いまどきクラブの中は禁煙やけど、老舗のお店などだと長年蓄積されたそこの匂いがガッツリ付くのでまじでくさい笑)香りが染み込んでいます。
そんなとき、着物は半日干しておいたら、ニオイ、消えます。
ちなみにコットンの肌着やキュプラの裾除けなんかは洗わない限りずっとクサイです。
それゆえ正絹とは、「着るたびに洗う」という対象ではなく、湿気を飛ばすだけで清潔感を保てるのが特徴のひとつ。クリーニングはシーズン終わりに汗抜き、染み抜き、ドライクリーニングをします。
クリーニングの値段が高いのでは?という心配のお声も聞きますが、そんなことはありません。季節ごとの手入れという面と、その手入れ技術のスペックを考えるとむしろ安いです。
※クリーニング屋さんを教えて欲しいという人はレッスン用のお申込みフォームからご連絡ください。
ただ、気にせず洗えるものもほしい、その場合は、麻の長襦袢をおすすめしています。紡績ラミーを材料にして織られた麻襦袢、近江のものは値段も手頃でかつ肌にも優しいすぐれものです。
本当に気温40度などになると、天然繊維ならではのスペックの高さをつくづく感じます。
汗をかいてクーラーガンガンのところに入った時も、絹は体温を守ってくれます。
私は冷え性ではないですが、やはり筋肉量などから考えると男性よりは冷えに敏感です。たとえば汗をたくさんかいた後に電車なんかに乗って急に冷やされると、風邪を引く原因になったり、神経痛を起こしたりします。
着物生活になる前は、新幹線に乗る時はわざわざ荷物になるのに季節にそぐわない長袖のしっかりした上着を持って行って羽織っていましたが、着物を着るようになってからは、持ち物に防寒用のアウターを足さなくても冷房負けすることはなくなりました。正絹の安心感はここにもあります。
これからの地球環境を考えても、やはり夏はシルクと麻である、と実感した2024年でした。
蛇足ですが、少し前まではオーガニックコットンってアパレルでぎょうさん言われていたでしょう?
ヴィーガン目線から蚕の命を奪うシルクはあかんと言われてきました。
ところが、水を大量に使うコットンは逆に環境に悪いというようなことが言い出されて、また状況がびっくり返ってます。
人工繊維としてのシルクの試みも長い間言われてきました。それは注目すべきものとして期待はしていますが、2024年において製品に使えるものは生まれていません。
私は、持続可能性のあるもののなかで、まずは実績のある材料で良いものを作ると同時に、「正しい情報をユーザーに伝える売り方」というものを様々な企業様にお願いしています。
絹のほんまの良さ、絹売ってる人が説明出来へんでこの世界どうなっていくんでしょうか。
講座でリアルをお伝えしています。
洗えるシルクっていうジャンルにもしっかりお話しします。
今後の講座&イベント予定
9月27日(金) 残席2
9月28日(土) 残席2「リユース着物目利き講座〈レベルアップ紬編〉」
京都 四条烏丸 講座の後の座談会もあり
10月6日(日)残席2
「未来をつなぐ着物目利き講座 小紋・型染・友禅 庶民のおしゃれ染色史&半襟作りワークショップ」 京都四条烏丸 ワークショップ材料費込みのウルトラお得価格
10月12日(土) 満席 キャンセル待ち対応中
「リユース着物目利き講座 着物編」(大阪)
堺筋本町・船場センタービルお買い物ツアー付き
*過去の開催募集記事です。どんな内容なのか詳細ご覧いただけます。
10月26日(土) 満席 キャンセル待ち対応中
「リユース着物目利き講座 帯編」(大阪)
堺筋本町・船場センタービルお買い物ツアーは開催未定
*過去の開催募集記事です。どんな内容なのか詳細ご覧いただけます。