京都の着付け教室 きものシャン

レッスン会場:烏丸御池教室 (京都市営地下鉄烏丸御池駅すぐ)

当教室についてはこちら→レッスンメニュー

初級レッスン 全8回 + 着物のTPO基礎知識 全1回 

お悩み解決レッスン  1回 90分

 

京都市内・公共交通機関の範囲でしたら 出張レッスンもお受けしております^^

 

お知らせ

レッスン募集状況については必ずこちらもご覧ください。

レッスン募集の最新状況について

 

⚫︎レッスンご予約受付中

※ただいま新規のご依頼は、平日のみ受け付けております。 

10:45-12:15 または 13:45-15:15

1レッスン 90分

(ご希望の日時をご相談ください。)

土曜日曜祝日のレッスンは現在満席が続いており、新規の募集は再来年度から行います。

 

※2024年の7月および8月のレッスン開講はございません。
(講座やイベントの開催はございます。)

 

予約先着順で埋まってゆきますので、はやめのご予約をお願いいたします。

お申込み・お問合せはコチラ

 

ドアノブや机類など室内のアルコール除菌、また換気も徹底しております。

講師はマクスを着用いたします。

 
 
こんにちは 京都の着付け教室 きものシャン 講師の原 です。

着物の世界にも業界誌ってあるんですか?

先日生徒さんから質問をいただきました。

まずファッション業界の1番の業界誌といえば、繊研新聞です。

着物に特化すると、きものと宝飾社の「ステータスマーケティング」があります。
このあたりは、着物の会社(メーカーや問屋)には必ずあると思います。

またこのような情報誌とは別に、染織関係の組合が発行する情報誌も存在します。

西陣織工業組合でも、かつてPR誌を発行していました。それが「西陣グラフ」です。
昭和31年11月15日創刊。惜しくも現在は休刊中です。

西陣織や組合員のことだけでなく、西陣エリアの観光スポットや飲食店の紹介、さらには全国の呉服屋さんレポやその他 豪華なコラムもあり90年代くらいをピークに内容が濃いものでした。いま読むと貴重な資料です^^

1冊はこんな薄さ。毎月1号リリースされていました。

そしてやはり、時代を遡るほど「昔はお金あったんだなぁ」と、その内容の豊かさから感じるのでした。


いまウチにあるなかで、1番古いのが1981年。ちょうど着物業界全体の売り上げがピークに達したと言われる時代です。


本日は、1981年からスタートして80年代の様々な西陣グラフを見て楽しみましょう^^



  着物イベント盛りだくさん

なんとも豪華な「きものクルージング」!

パーティムード全開の写真が目に飛び込んできます。西陣織工業組合とフェリー会社の共同主催。


着る機会を作るイベントや作品の発表イベントなど、たくさんの着物振興の企画が多かった時代。


若い女性達の着こなしから、この頃のトレンドが伝わってきます。



  織物テクノロジー最先端


紋紙を使ったジャカード装置を省エネ化すべく、開発されたダイレクトジャカードおよび自動柄出しシステムのお披露目セレモニー。

そのほか引箔のオートメーションシステムなど、様々な技術について、織物関係者達が熱心に説明に耳を傾けます。


1970年代から研究されてきた、脱紋紙の道。


Windowsもない時代にすごい事です、、、

一体いくらかかったんでしょう。



  世界に目を向ける京都のモノづくり

この時代、日本全体が外へ外へと目が向かっていました。

こちらは現代建築家の高松伸氏と織物作家の伊豆蔵明彦氏、それぞれの京都イデオロギーを熱く語ります。


コスモポリタンな感覚を持ちながら、いかに京都の古き良きをアップデートしてゆくかというのが業界トレンドであり、産業として向かう方向であるという意気込みが感じられます。




  豪華な連載コラム

木村孝氏、澤田ふじ子氏、上田定緒氏など豪華メンバーによるコラムも掲載。


文化レベルがググッと上がります。

そうなのです。なかなかアカデミックなのです。



  芸能人やセレブも登場


振袖を纏うダイアナ妃の麗しいお姿を拝見することができたり、さらに広告モデルとしては人気女優が起用されるなど、これまた華やかすぎる誌面です。

こういう広告はもちろんその会社単体でお金を出してやっています。


他にも経営者がポケットマネーで、組合のイベントに歌手や横綱を呼んだりしていたそうです。



  全国の呉服店レポ

こちらの全国のお店めぐりのコーナーでは、日本列島さまざまな呉服屋さんについて、その土地の美味しいお料理と共に紹介されていました。

この時代ならではの呉服店の雰囲気がわかる写真や、お店の経営や催事などについてもインタビューが載っていて大変面白いです。



ユーミンの荒井呉服店とも繋がりの深い 石毛呉服店や、きしや好みのトレンドを作り続けた 銀座きしや などの名店が登場しています。


この西陣グラフは、決して組合員の中や着物界だけで読まれていたものではなく、喫茶店や美容室など一般市民が気軽に手にすることができる場所にも配布されていました。


今から考えるともう誰から誰に向けてのアピールなのかわからないくらい、さまざまな情報にあふれたPR誌だったと思います。


業界の情報発信や広告掲載にとどまらず、純粋に読み物として面白くしようという狙いがあったことは間違いありません。


そういう意味では、一般的な業界誌とは趣を異にした存在でした。


西陣織工業組合では、こちらの西陣グラフをデジタルアーカイブとして保存するプロジェクトがあるそうです。

一般の人もオンラインで気軽に見られるように公開される日が来ることを切に願います。


最後までお読みいただきありがとうございました。