京都の着付け教室 きものシャン

レッスン会場:烏丸御池教室 (京都市営地下鉄烏丸御池駅すぐ)

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初級レッスン 全8回 + 着物のTPO基礎知識 全1回 

お悩み解決レッスン  1回 90分

 

京都市内・公共交通機関の範囲でしたら 出張レッスンもお受けしております^^

 

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10:45-12:15 または 13:45-15:15

1レッスン 90分

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土曜日曜祝日のレッスンは現在満席が続いており、新規の募集は再来年度から行います。

 

※2024年の7月および8月のレッスン開講はございません。
(講座やイベントの開催はございます。)

 

予約先着順で埋まってゆきますので、はやめのご予約をお願いいたします。

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こんにちは 京都の着付け教室 きものシャン 講師の原 です。
 
リユース着物、いわゆる二次流通のお着物のことですが、未使用であろうがなんであろうが、一度人の手に渡ったものについては、さまざまな加工がされています。

 

八掛の色やサイズなど、こちらがこうであってほしいと思うものと違いがあるのは当たりまえで、激安ゆえのすれ違いがございます。

 

とはいえ、八掛の色が嫌なら好きな八掛をお買い求めになって付け替えればいいことですし、サイズが違うなら(縫い代込みで全体の生地幅と長さがご自身の体型をカバーできるならば)、仕立て直せば解決します。


またその際に「洗い張り」をしてもらうと、もう見違えるほど美しくよみがえり、お値段以上の喜びが待っています。

 

しかし、後からではどうしようもない加工というものもございます。

 

いわゆる生地の撥水加工です。

 

こちら教材用にいいなあと思って見つけた紬 です。

現在ではこのような商品はあまり生産されておりませんが、緯絣(絵絣)が特徴的です。

 

本格的な結城のような紬を求める人には、関心の向かない織物でしょうが、リユース着物のなかでは、捨てるようなお値段(ヤフオクなんかだと2千円程度)で存在していると思うと、まずはこれらの紬に注目されるユーザー様も多いことかと思い、いろいろとチェックした上で、これらの比較も講座のなかに取り入れております。

 

そしてこのように、まれにハッとするようなものに出会います。二千円って笑 という。

 

紬の糸とひとことに言っても時代によってサプライされるものが違いますから(繭は輸入ですし、糸も一部例外を除けばそれぞれの産地で作っているわけではないからね)、やはりそこでも見分けというものは存在します。

 

こちらの品物もリユース界での需要と供給のバランスでドライに見れば決してお値段以上の価値とはいえませんが、


製織された背景、やはり巨大産地、新潟県のかつての活気あふれた姿を懐古するという意味でも、また純粋に普及品としてのかつてのモノづくりの傾向を学ぶ教材として、そして一見同じように見える紬のなかでも良し悪しあるよねっていう細かいところにフォーカスするには見逃せないアイテムでもあります。

 

動力機のペタッとした紬とは違い、「俺は紬なんだぜ」という主張が感じられます。

 

しかしそんな紬織物のリユースについて、

こればっかりはガッカリしちゃうぜ、でも諦めないといけないという加工。

それが先述の 撥水加工 いわゆる ガード加工 でございます・・・。

ラベルを見て、あなたは、「しあわせ」 かもしれないけれど、こちらは「しょんぼり」 しておりますっていう感じです笑

 

このような撥水加工は加工したあとで「やっぱり元に戻したい」と思っても、不可能です。

湿気で極端に縮む恐れがあるものなど、ガード加工が安心という場合以外においては、本来は着心地を悪くしてしまうものですから、必要のない場合はこんな加工はしません。

 

紬に限らず、手描き京友禅の老舗の社長ですら、「ほんまはしない方が絹の着心地はよい、ほんまの着物好きな人は何でもかんでもガード加工はしない、最低限どうしても必要なものだけ」と断言します。

例えば、飲食などのお商売で着られる人、お客様の飲み物がかかるたびにいちいちお客様からクリーニング代もらえませんから、ガード加工が活躍したりします。

 

ところが、多くの場合、汚れるのがこわい!お金がかかる!と着物クリーニングについての業者さんへのアクセスや手入れの方法を知らない人が「なんとなく」のイメージで加工をしているようです。

 

呉服屋さんも相手の状況をちゃんと聞かずに、だれかれなしに積極的にすすめていた時代がありました。 

また今でもそういうお店は少なくないのです。

今年だけでも3件くらいそのようなシーンに遭遇しました。

生地に加工をするのに、お客様にカウンセリングしないという・・・すごいなぁ、悪気なくやっておられるその姿勢w 

 

ガード加工は生地の表面をガードするわけではなくて、繊維単位でコーティングするため、糸と糸の隙間は確保されるから、暑いとか湿気がこもるというようなことはない、とは大手ガード加工会社様の売り文句ですが、繊維そのものに加工するわけですから、それらの集まりである織物の手触りから、着心地から着付けのしやすさまで全部変わるということを言わないってちょっとどうなのかしら・・・

実際に着装してみました。手触りではなく、着心地がぬるっとします。

 

しかしこういうこと言うと、そんな昔の加工と今の技術が違いますという反論がまいりますので、

今年は最先端の技術でガード加工をしてもらったお着物を誂えました。

 

もったいないことをしましたw

それこそほんまに飲食やってる友人にいる?ってきいたらもらってくれました。

(西陣の御召でした。)

 

私がガード加工しているお着物は、夏物のアウター(紋紗の羽織など)、織元の商品説明にガード加工しろと明記されていた明石縮、草木染だからと強く売り手さんが勧めてきた(草木染めだからって理由が通らないのですが、売り手さんがしつこかったのでやってみた)三才山紬、以上です。三才山紬については、ガード加工要らなかったと感じています。というか台無しにしてしまいました。でも私の立場は教材として、自分の学びのためですから。


証拠がないのに何も言えないでしょ?

 

ちなみに個人的にはパーティで着る友禅も、縮みやすいと(一般的にいわれる)本塩沢なども加工したことはありません。


いずれも25年ほど、特に問題なく絹の繊維の心地よさを味わっています。

 

もちろん汚せば染み抜きなどの金額はかかりますが、撥水加工したからってメンテナンスが全くいらないわけではないですし、また実際問題、着物のクリーニングって莫大な金額がかかるわけではないので、どうでしょう、着心地をとるかどうかと言われればやっぱり私は加工しない派です。

 

必要な人と品物にこそ、撥水加工を。

必要のない人と品物には、正しい知識を。

 

必要のない人が、着心地を知らないまま撥水加工をすすめられ、OKしてしまったなれの果ての未使用の紬なのではないかしら・・・とガッカリしながらも、でもリユースはそういうものなので、目をつぶってスルー、それだけです笑

どんなサイズにしようがどんな加工をしようがもとの購入者様および販売店の自由ですので。

 

ちなみに普段はポリばかり着ているという着付け講師の先生から、この撥水加工について質問をいただき、実際に触っていただきながらお話したことがありましたが、「正直、違いが判らない」と仰っていました。

 

そういう人には向いている加工だと思います。

 

結局その判断って着て見ないとわからないですよね。

リユース着物目利き講座 レベルアップ紬編 ではこのあたりもそれぞれでご判断いただけるように、お伝えしています。

 

●先行予約スタートしました!

12月2日(土) 京都会場

「リユース着物目利き講座 レベルアップ紬編」  ただいま残席3名となりました

 ◇場所: 京都 四条烏丸エリア 
 ◇時間: 13:30-15:30 (講座 2時間) 

 ※さらに講座の後に座談会 1時間程度(自由参加)

 ◇講座料: 8,000円(税込) 

 先行予約は、どなた様でもお申込みいただけます。

毎回人気の講座なのでお席の確保を希望の方は、こちらのお申込みフォームからお願いいたします。

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本場結城紬地機織の極上の着心地も味わっていただく試着体験もございます。

➡︎詳しくは、過去の開催内容をお読みください。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。