京都の着付け教室 きものシャン

レッスン会場:烏丸御池教室 (京都市営地下鉄烏丸御池駅すぐ)

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初級レッスン 全8回 + 着物のTPO基礎知識 全1回 

お悩み解決レッスン  1回 90分

 

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こんにちは 京都の着付け教室 きものシャン 講師の原 です。

 

  首里染織の新施設 suikara

今回は、今年の4月に沖縄県那覇市にオープンしたばかりの首里染織館suikara(すいから)にお邪魔しました。

 

スタイリッシュな外観ですが、中に入ると木のぬくもりを感じさせる造りの三階建ての施設。

 

モノレールの駅からも近く、アクセス良好。3階からは再建中の首里城や海も見える素敵なエリアです。

 

 館内は、

1階は染織品のギャラリー&ショップ

2階は紅型の工房 (琉球びんがた事業協同組合)

3階は首里織の工房 (那覇伝統織物事業協同組合)

 

という構成になっており、どなたでも無料で入館することができます。

 

資料を見たり動画をみながら、涼しいところでゆっくりできるチルなスペースもあるのでくつろぎながら着物を楽しめます。

 

 

 

suikara とは「首里から」という意味。
首里から染織の魅力を発信してゆきたいという想いのこもった名前だそうです。
 

 

さっそくご挨拶させていただいたのは、首里染織館suikaraを管理運営する代表 いのうえちず さん!

外から窓越しに着物のステキな方がいらっしゃる...♡と思っていたらその方が いのうえさんでした。

 

沖縄の文化雑誌である「モモト」の編集長として大活躍されている いのうえさん。

 

 

↑着物ユーザーにおすすめ紅型特集号

 

Amazonからなら買えちゃいます^^

 

 

今回またバックナンバーを購入させていただきましたが毎回充実の内容で面白い。

 

 さて、suikaraについてもう少し詳しく。

 

  首里織のトレンドが一望できるギャラリー(1階)

 
image
組合員によって製作された染織品が美しいレイアウトのなかで輝く1階のギャラリー。
写真撮影禁止・触れるの禁止 との表示がございますが、スタッフに声をかければ、
撮影をしたり、織物の風合いを確かめたりさせてもらうことができるとのこと。
 
本当にこのギャラリーがすごくて、ここまで那覇の染織品ばかりがまとまってみられる場所はなかなかない。
 
沖縄県内の呉服屋さんに行けば見られるのでは?と思っている方も多いですが、逆にほとんどないのが実情。
 
希望者は小売価格で購入もできるので、そういった意味でも貴重な場所ですね。
とにかく点数が多いので、どんな方が行かれても自分好みが必ず見つかると思います。
(と言うと、いますぐコチラに飛んでゆきたい方もいらっしゃるでしょう 笑)
 
いのうえさん、お忙しいなかギャラリー内の商品説明をしてくださいました!

 

首里織のなかでひときわ涼感を誘う気品ある織物がこちらの花倉織。

  • 花倉織とは?
花倉織とは、絽織または紗織と両面浮き花織を組み合わせた織り方で作られる織物のことを言います。

かつて首里では、王家の妃や王女が着た夏衣というたいへんに格調高い伝統の織物。

画像の影を見ていただくと、透けているのがよくわかりますね。

 

近くで見ても大変美しいです。

 

こちらも、ブルーの涼感ただよう花倉織。

 

シルクの光沢と繊細な織組織の組み合わせ。

絣や花織、ロートン織はよく名前の知られているアイテムですが、花倉織はまだ一般的に認知されていないように思います。

 

手織で1人の製作者一貫工程でここまで手の込んだもの、なかなかありませんよね。

 

ギャラリーにはほかにも素晴らしい色と織のものがたくさん^^

 

ほんとにお品物がおおくて、感動しました。

着物屋さんの展示会でもこんなに見れないのが普通。

 

帯で目立っていたのは、こちら。

面白い配色のうえに、紋織の複雑さが際立っています。

20枚近くの綜絖(機織りの際に経糸を上げ下げする部分)を駆使して織られたものだとか!

 

素晴らしい作品たちをひととおり拝見したあとに、3階にある首里織の工房へ。

 

 

  首里織の工房でさらに詳しく(3階)

こちらも無料で見学ができます。

 

織だけでなく、染めや洗い張り、もちろん整経などの作業もこちらで行っています。

 

ちょうど経糸の準備をしておられるところを見せていただきました。

 

このように並んでいると一つの織物のようですが、バラバラの糸の集まり。

きれいに並べて同じテンションを揃えるだけでも難しい作業。

 

研修生を指導する理事の方が今度は織の説明をしてくださいました。

 

  花綜絖と絣の説明

この手前に並んでいる木の棒とそこに糸が垂れ下がっているのが、花綜絖とよばれるもので

これで経糸をあやつり柄を表します。

 

経糸の動きのところが見えにくいのでアップにしてみた動画がこちらです。

 

また絣についても首里では、緯絣は織る際に織り手が手で少しずつずらしながら柄を出していくとのこと。そのため耳(反物の端)のところにはみ出すぶぶんが出てくるそうです。

 

 

耳にも印をつけて、絣合わせがしっかりできるように準備してから織る南風原の絵図式の絣とは違う考え方ですね。

 

■南風原の絣作りについてはこちらの記事からご覧ください。なかなか他では見られないネットでも情報がほとんどない南風原の絣について動画があります。

 

 

  首里織のお高級ポイント 国産糸

そして首里織については驚きポイントがまだあります。

もともと王朝文化から生まれた織物なので、気品漂う織物が多いのですが、なんとなんと「国産シルク」(ぐんまシルク)を使用されているのです!

(生糸のみ)

もう国産シルクなんてなかなか見る機会がないうえに、海外産のシルクですら大値上がりの現代ですのでこれは驚きですよね。首里織すべての商品にこのぐんまシルクが使われているわけではないのですが、経糸にも緯糸にもこの国産糸を使用したお着物が1階のギャラリーでいくつも見ることができました。

 

生産力を上げてコストダウンを図って、という考え方ではなく生産量がすくないぶん、一人の作り手による一貫工程という作家方式をとることで、手間ひまかけたモノづくりを目指すというのが首里織のスタイルのようです。

 

 

  首里と南風原の違い

これはよく生徒さんや講座の受講生さんから質問いただくポイントなのですが、そもそも沖縄県の地理的なことをあまりよく分かっておられない方も多いので、ちょっと地図とともに。

 

そうなんです、那覇と南風原それぞれめっちゃ近いんです。

 

京都で考えると御所から桂離宮くらいの距離でしょうか。

 

首里城のお膝元といってもよい南風原。もともとは綿の産地として有名だった場所だそうですが、首里の技法が伝わり明治以降から巨大産地として発展を遂げてゆきます。

 

なので、

技法としては絣と浮織(花織・ロートンなど)ですから、沖縄《本島内》については染織の基礎技術はみな同じなんです。

 

沖縄本島だけでも多くの伝統的工芸品指定がありますので、ややこしいですが、基本は同じ技法だけれども、技術が根付いた地域それぞれで工程やモノづくりの姿勢に差があり、結果として出来上がった商品にも違いが出るというようなことだと理解していただければいいと思います。

 

 

  沖縄の浮織を例に挙げて

経糸や緯糸が部分的に浮く状態になることによって柄を織り出しているものを浮織といいます。

花織も道屯(ロートン)織もこの浮織のしくみをつかって作られたものです。

 

この知識を踏まえたうえで、それぞれの地域を見てみましょう。画像でイメージがつきすぎてもよくないので、あえて画像は載せません。

ご自身で検索などしてお品物をご覧ください。

 

  • 首里花織

首里花織には、両面浮花織・緯浮花織・経浮花織・手花織があり、さらに、道屯(ロートン)織。

そして、さきほどご紹介した花倉織。

 

 

 

 

  •  南風原花織

 

南風原花織には、両面浮花織・緯浮花織・手花織・紗紋織・道屯(ロートン)織。

それぞれ琉球諸語での呼び名が残っているのも特徴で、たとえば、紗紋織ならタッチリー、緯浮花織ならクヮンクヮン織、などです。

 

 

 

  • 読谷山花織

花織といえば、首里や南風原より、着物ファンはこちらの名前を思い出すかもしれません。

読谷山花織は、緯浮花織・経浮花織・手花織。

 

 

 

  • 知花花織

知花花織では、経浮花織と、経糸を数本すくいそこにハナ糸(柄糸のこと)を織りこむ縫取花織(ぬいとりはなおり)があります。

 

あくまでもこれらの言葉は織り方から見た際の分類ですので、実際のお品物を見て触って、感じることでそれぞれ違いを見出すということもあるかと思います。

 

似た技法であるからこそ、作り手の感性や手仕事の上手さという個性が感じられるのも魅力と言えるでしょう。

 

その魅力が手に取った人間の感性とクロスオーバーしたときに新たな「琉球染織ファン」がまたひとり増えるのだと思います。

 

 

  首里を訪れた時のコーデ

ちなみにこの日は首里織の帯を結んで会館を訪れました。
 
これは首里に限らずですが、そこのものを着用して産地の組合に行くとすぐに
「あ、これ〇〇さんの帯だね」とか「〇〇さんのところの壁上布でしょ?」なんてみなさんが声をかけてくださいます。
 
そんな見て一瞬でわかるんだ・・・とこちらは驚いてしまいますが、今回の帯も首里織の工房の方から「あ、これ名嘉さんの帯でしょう?」とすぐに。
 

 

 

 

着物は動きやすい近江縮に、首里織の作り手 名嘉幸代さんの作品を結んで産地訪問。
 
産地のものをまとって訪問するってやっぱりいいなぁ~と思いました。名嘉幸代さんはもう現役ではない方なんですが、そうやって組合の方からお話を聞くことができてうれしかったです^^
 
皆さまももし織手さんがわからないとか工房がわからない帯や着物があったら、それを着て産地の組合を訪れてみるのもいいかもしれません^^
 
今回のsuikara訪問では、2階のびんがた工房には時間の関係でお邪魔することができませんでした。
来年にでもトライしたいと思います。
 

また、首里はこのsuikara以外にも、御嶽があったり、サンゴ染めの工房があったり、また陸軍司令部壕があった場所でもあり、平和学習のために史跡を見学するのもおすすめです。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

※対面レッスンしております
(マンツーマン・ペアレッスンのみ。)
 

鏡(全身鏡)は人数分ご用意して、距離を取っています。
 ドアノブや机類など室内のアルコール除菌を徹底しております。


レッスンでは、生徒様にもアルコール消毒、マスクの着用をお願いいたします。

 

 

 

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