京都の着付け教室 きものシャン

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こんにちは。 
京都の着付け教室 きものシャン 講師の原 です。
 
日々コーディネートのご相談は尽きません。
 
やはり多いのが、カジュアルな着物にできる袋帯ってどんなものですか?というものです。
 
本式フォーマルな帯が合わないってことはみなさんわかっておられるんです。留袖や古典柄の訪問着なんかにオシャレっぽい帯を合わさないことはわかっておられる。
 
それ以外の帯たちがよくわからん、というコトなんですよね。
 
また、カジュアル着物の線引きですが、小紋といっても華やかゴージャスもあるし素朴なものもある、それも理解しておられます。ご相談いただく内容をみるとやはり「紬」について聞かれることが多いです。
 
このあたりも、「リサイクル着物目利き講座 帯編」 でサポートしている内容になりますが、講座を受けてくださった方には内容フォローになるかと思いますし、未受講の方にもご参考になるかと思い、記事に書かせていただきます。
 
記事の最後の最後に講師のボヤキが出ますので、受け止めてやってくださいw
 
 

  いろんな帯があるよね

 
まずはじめに、成人式や留袖に結ぶような帯ではないけれどちょっと金銀キラキラしている帯に集まってもらいました。
 

抽象的なものや

 

汎用性の高い唐草

 

インドのサリーの柄写し

 

そして、着物にはざっくり絣の久米島紬に登場してもらいます。

 
金銀糸だから紬には合わないとこの時点で判断してしまうこともできるかもしれませんが、今日は、それとはちょっと違ったジャッジの目線をご紹介します。
 
 
 

  カジュアル・フォーマル二元論だから迷う

 

判断① 農村的か都会的か

 

着物もファッションですから、カジュアル・フォーマルという以外にもコーディネートの判断ってありますよね。
 
エスニックな感じ、モダンな感じ、雅な感じ...などなど。また柄の時代背景とかもありますよね。
 
着物は形が決まっていますので、そのフォーマットのなかにどんな柄でも落とし込むことができるため、同じ形でもアイテムによって世界観がかわります。そこが面白い。
 
ひとつカンタンな分け方として、農村的か都会的か、というものがあります。
 
この久米島紬、農村的なイメージです。
 
ちなみに、着物の世界でいう都会的というのは、渋谷・新宿・六本木のような大きな繁華街という意味ではなく(笑)、仏教や貴族社会、武家社会などの知識層・支配層のなかで好まれるもの、または格がありスタイリッシュなものと覚えてみてください。
 
また、幾何学文様がカジュアルオンリーなものだと思ってる方もおられますが、幾何学文様なんて数学的知識がないと生み出せませんから、大昔であれば、そういう文化的なパワーを持っているという意味があります。そういうわけで、カジュアルにもフォーマルにも幅広く登場します。
 
 
農村的というのは、一番簡単にいうと、農家が農業の閑散期に自分たちが着る、収入を補填する、税として納めるなどの理由で作る織物類にまつわるものです。これがのちのち、民芸運動のなかで、評価されていく系ですね^^
 
 
 

民芸運動 とは

 
●民芸運動・・・常的な暮らしの中で使われてきた手仕事の日用品の中に「用の美」を見出し、活用する日本独自の運動。
着物を着る人や機会がどんどん減っている現代においても「紬の味わい」なんて評価があるのは、このへんの思想・運動があってこそでしょうね。
 
コーディネートで表現すると、まさにこのイメージです。
ここに絶大な浪漫を感じる着物愛好家は多いですし、実際に書を捨て街を捨て、紬織の産地を訪ねると心酔してしまうのはよくわかります。
 
こういった素朴な絣織物になぜ需要があるのか?この民芸の価値について評価する人が多いからです。
 
または、手仕事で作るのが大変だ=高級品➡あまりよくわからないけどコレ着てたらカッコいいのかなっていうくらいの感覚で購入される方もたくさんおられます。
 
それはそれでOKと思います。ファッションですから^^
 
 
 

  実際にコーディネートしてみました

 
さてさて、どんな帯が合うかな?これまでの情報を頭に入れたうえで、着物の上においてみると・・・・

世界の感の違い(笑)

都会と農村な差を感じることでしょう。

 

色があってても、なんか違うんだよなー と思うなら合わせないほうがいいですね^^

 

でね、当たり前のことになりますが、農村的なデザインにピッタリのものに金糸銀糸をタップリ織り込んで商品にするなんてことないんですね、、

 

売りにくいw

合わせにくいw

 

ってなるじゃないですか?

 

また、コーディネートについて考えるときは、プロであればあるほど目の前の商品について話すことを大切にします。

 

それそのものでなくても、似たものを見ながら考えるんですよね。特にものづくりの現場ではそうです。

 

だってもし自分が営業で、こんな商品で、あーでこーで、て話して売り込もうとしても「どんなんかまず見せて」て言われてしまいますよね笑

 

 

もうお分かりでしょうか?

 

金糸銀糸も文様の一部なんです。

 

乱暴な言い方かもしれませんが、金糸銀糸が入っているから云々 という捉え方だけでは混乱します。

 

トータル表現のされ方を見るのが大切です。

 

ここまでをしっかり理解しておけば、かなり目線も広がります。

 

ちなみに、素朴な紬に西陣織は合わないと言っておられる着付けの先生がおられましたが、そんなことはないというのが西陣織元出身の私の意見です。

 

「西陣織を理解すれば、世の中の帯のほとんどを理解したことになる」と言っても過言ではないくらいさまざまなバリエーションがありますから。

 
例えば、このくらいの帯なら良くないですか?ひとつ前の薄緑地の帯とおなじ織元の洒落袋帯です。
柄を見てもらうとわかるのですが、貴族社会・武家社会・仏教寺院なんかのワールドとはちがう、完全なる創作の柄。
 
お母さん猫とそこに甘える子猫たち。まさに庶民の目線で描かれた図案ですね。
 
次に着物を変えてみましょう。

 

同じ紬でもこちらの大島紬。正倉院文様写しの絣です。絣なのでキラキラ感はないけど、柄としては農村的ではない。

 

 

この帯のコーデも素敵なんですが、ちょっと寂しい。先ほどの久米島紬のコーデと比べてもらうとよくわかります。

 

ただ、やはりこれらの帯は合わないですね。

 
 
微妙なラインで、これくらいなら合わせる人いるかもなって思いますが。

 

さきほどの母猫&子猫ちゃんの帯とほぼ同じ織の同じ織元の帯をあわせてみます。

正倉院文様と鳳凰でいい感じになりましたね♪

 

 

 

判断② 柄の重さと軽さ

同じ帯を久米島紬に合わせてみます。

これもおかしくはないけど、ひとつ気になるのは着物の燕と帯の鳳凰の世界観の違い・・・・ちょっと私は個人的に違和感があり、合わせないと思います。このへんは好みですね^^

 
 
判断② 柄の重さと軽さ

ここで先ほどの猫ちゃんをもう一度見ていただき、比べてもらうと

同じ織の帯だし、金糸銀糸が目立つわけでもないのになんだろう?

もちろん柄の格や意味ってことなんですが、もうすこし感覚的に判断するなら、柄の重さ・軽さです。

 

これが感覚である程度判断出来たら、文様辞典を隅々まで覚えなくても表現のされ方で判断できると思います。

 

ファッションだから、感覚にゆだねられる部分もかなり大きいんです。着る人の雰囲気にも左右されます。髪型も然り。

 

洋服とおなじように、そのアイテムについてのイメージを考えて判断してゆけばいいと思います。

 

あと、色が合うかどうかは、最終的に帯締め帯揚げで調整できる部分もあるので、おうちにあるものでいろいろやってみるとしっくりくる瞬間があります。

 

 

  でも結局自由な気がする

 

かなり前ですが、伊勢木綿の着物に織りの華やかな9寸の写真をSNSにアップしている方がいて、生徒さんから「これはアリですか?」と画像を渡され質問を受けたことがあります。
 

どんな投稿内容だったか。違う色柄ですが、うちにある伊勢木綿で再現してみます。

 

投稿されている方のキャプション、そして他の方からのコメントをみると

「かわいい♡」

「めっちゃ好み♡」

 

などとても盛り上がっていて素敵なムードでした。

 

で、ここに、コレはちょっと違うんじゃない?と水を差す人なんていないと思うんですよね。

 

また、着て出歩いているところを、そのコーデはちょっと違うかも、といちいち言うKYな人も居ないと思うんです。(ひさしぶりにKYって使いました。今はなんて言うんだろう・・・笑)

 

つまり、カジュアルなシーンで着用するには、最終的には所有者が決めて楽しめばそれでいいのでは?とも思います。

というのは、このようなコーデを投稿しておられた方のほかのお写真をみると、首から上、つまりヘアメイクやアクセサリーなどがかなり華やかで気合はいっているオシャレな方なんですよね。
 
その方の雰囲気トータルで、これも違和感なく見せられるのであれば別に柄の重さとか世界観とかどうでもいいのかもしれません。
 
もちろん正式なシーンではすこし浮いてしまうと思うのでおすすめしませんが、ヘアメイクや洋服とのミックスコーデなどファッション全般にかなり自信のある方には、この記事内容や着付け講師の存在は必要ないかと思う今日この頃です。
 
 
 

  手持ちのアイテムが増えるとこだわりが出てくる

 
自分が初心者のころから思っていることで、指導する立場になってからも同じように考えていることに、「持っていないアイテムは使えない」ということです(笑)
 
こういうコーデにしなければ、と考えすぎて自分自身を窮屈にするのではなく、持っているアイテムのなかで許容範囲を考えて、合わせてゆくしかないのです。
 
そのなかで、すこしずつ手持ちのアイテムが増えるにしたがって、「いままではこの帯を合わせていたけど、この間買ったこの帯のほうがこの着物の世界観をより引き立たせる」 とかそういうことが出てくるわけです。
 
その過程には、アイテムが増えるというだけでなく、ご自身のファッション知識の変化もあるでしょう。
 
現時点でこだわりたいところ、そうでないところ、まずは手持ちのアイテムに向き合うことで見えてきます。
 
当教室のコーディネート相談では、理想を高くし過ぎず、バッチリを追い求めず、許容範囲をお伝えすることを大切にしています。
 
そのほうが、応用力が付くと思いますし、小物類でどれほど変化がつくのか、半襟や長襦袢や帯締めなんかの威力がよくわかります。
 
 
 

  ボヤキます^^;

ほんま、世の中の着物の教科書から紬の訪問着っていう言葉なくしてほしいんです。バリエーションありすぎるし(笑)
 
柔らかものについても、もう付下げと訪問着も言わんでいいような気がするんです(笑)

 

絵羽でいいやん(笑) ダメですか?(笑)

 

 

付下げと訪問着の違いはプロ同士だから使い分けられる言葉だと思うんですよね。

 

どんな生地でどんな商品なのかそのバリエーションをざっと頭のなかで広げられる人が使う言葉と、そうでない言葉があると思う。

 

まあ、この言葉を知っておくことは大切だと思いますが、その言葉の内容をじっくり説明せず、代表的なアイテムに=(イコール)と当てはめて、とりあえずざっくりとした種類わけで覚えましょうと指導するのも違う気がするんです。

 

いちばんいいのは、たくさん商品を見続けることなんです。そうするとそこに言葉はいらない(笑)

 

でも現実的には仕事にしていない限り、難しいですよね。

 

やはりそこで、「フォーマル・カジュアル」 「都会的・農村的」 「重い・軽い」のなどいろいろな感覚を持っていただくとわかりやすくなるかと思います。

 

世の中、着物のバリエーションてすごく多いから、どんな達人でもすべての商品を理解するなんて無理です。

 

応用力につながる感覚をまずは育てていきましょう^^

 

私もがんばります^^

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 
 
 

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