こんにちは。

京都の着付け教室 きものシャン 講師の原です。 

 

着付け講師は着付けを教えるだけでなく、どんな着物を選べば良いか、着物だけでなく帯や襦袢や小物類など、生徒さんにお伝えするのも仕事のうちです。

 

でも、生徒さんひとりひとり、求めるものが違います。

 

まず、色柄や着こなしのお好みがちがいますし、体型の違いもあります。さらにどんなシーンで着たいのか、どれくらいのコストを着物にかけたいのかライフスタイルによって選択肢がたくさん。

色々あって迷っちゃうのは、初心者もベテランも同じ。

 

 

「そう。人生は選択の連続なのです。」

 

さて、着物を着るなら正絹か?ポリエステルか? こんな議論やご質問やつぶやき、めっちゃネット上で見かけますが、

 

洗える着物があるならラクチン♪ とポリエステル着物を買おうとしたら、

 

 

✔ お店では、「正絹をすすめられた」

 

✔ 着付けの先生や年配の方から、「ポリエステルではダメだと言われた」

 

 

そんな経験談を聞いたことが何度もあります。

 

 

ポリってそんなにダメなの?

わからないと不安になりますよね。

 

結論からお伝えすると、正絹のスペックがダントツに高い ことは間違いありません。

 

なので「オススメあれば教えてください」と言われたら、やはりプロはまず正絹をおすすめするでしょう。

 

 

例えると・・・

もしあなたが友人から、「そろそろ結婚したいな。誰かいい男性がいたら紹介してね。」 と言われたとします。あなたは、その友人のために自分の人脈の中から 「できるだけスペックの良い」、「条件の良い男性」を考えて紹介しようとするでしょう。

 

この人なら安心して紹介できる、と太鼓判を押せる相手でないと紹介する気にならないはず。

 

出来るだけ彼女にとってベストな人を紹介したい、彼女に幸せになってほしい、やはりそう考えると思います...

 

 

 

ここでポイントは、スペックよい男子を紹介することと、自分自身の彼氏や夫のスキルや外見が良いかどうか、は別の話。それはそれ、これはこれ ということです笑

 

生徒さんがせっかくお金をだして買う着物について、まずはベストを知ってほしいと思う着付け講師は多いでしょう。自分がポリエステルを着ることはあるとしても、初心者さんにあえておすすめをするべきなのか?悩む人も多いのではないでしょうか。

 

ポリエステルでも問題ないですよ、と気軽にお伝えしてしまって、もしその生徒さんが「やっぱり着心地が良くない!」なんて買ったことを後悔したら大変だと思うわけです。

 

着てみないとわからないことが多いので、まずお金を出すなら間違いないものを買ってほしいと。そのような、正絹をおすすめする側の心理的状況を踏まえたうえで次にゆきます。

 

 

 

 繊維の種類と性質をまとめてみました

 
糸の分類図 資料作成 京都の着付け教室きものシャン

 

繊維には、天然繊維と化学繊維があります。

 

化学繊維というと、ポリエステルが頭に浮かぶかもしれませんが、

化学繊維は、「再生繊維」と「合成繊維」にわかれます。

 

石油原料などで合成されるのが合成繊維で、ポリエステルやアクリルです。

 

いっぽう、パルプやコットンリンター(綿花を取った後に残る短い繊維)を一度薬品で溶かして、繊維として再生したものが再生繊維です。

 

「再生繊維」である レーヨンやキュプラ、ポリノジックなどは肌に心地よく光沢があります。

 

キュプラは裾除けに使われていることが多いです。ベンベルグという名前で流通しています。

 

もうベンベルグの襦袢があってもいいのでは?というほど心地よい生地ですが、いかんせん「シワになりやすい」 という欠点があり、長襦袢までの活用には現代では使われていません。1970年代、私の母のころにはありました。現代では、裾除けというアンダーウェアでその魅力を発揮している存在です。

 

 

 

さて今日の本題で、 「絹 v.s. ポリエステル」 の個性対決をしてみたいと思います。

 

 

 

 絹とポリエステルの個性を知る

 

 

絹 

 

着物の素材としては、最高のスペックを持ちます。

人の肌との相性が非常によく、着る人がストレスを感じないし、アレルギーも起きにくいです。

しかし、もちろん弱点もあります。

 

 

おすすめポイント

・ 光沢がある。

・ 染めやすい。

・ 柔らかくて腰がある。

・ ドレープが美しい。

・ 軽くて暖かい。

・ 吸湿性・放湿性がともに高い。

・ 静電気が起きにくい。

・ 紫外線防止の効果がある。

 

 

弱点

・ 摩擦に弱い。

・ 水の影響を受けやすい。

・ 長期保存などで黄変しやすい

 

 

 

 


 

 

ポリエステル 

 

見た目、着心地すべて絹には及ばないが、正絹にはない長所を持っています。

 

 

おすすめポイント

・ カビや虫がつきにくい

・ 耐薬品性に優れている

・ シワになりにくい。

 

 

弱点

・ 吸湿性が低く、ベタベタする。

・ 暑さ寒さに弱い。

・ 染めにくい。

・ 毛玉ができやすく取れにくい。

・ 広がるので着付けがしにくい。

・ すべりやすい。

 

 

ポリエステル着物の最大の魅力は、自宅で簡単にクリーニングできることです。

 

洗剤など薬品をつかったホームクリーニングがとても楽に出来て、シワにもなりにくいため、アイロン要らず。しかも乾くのも早い!究極のタフガイです!

 

このように、それぞれの良さ・弱点があることを見てみると、もともとの繊維の性質が異なるため、個人的主観を省いたとしてもやはり、絹とポリエステルを同列のものとしては議論できません。

 

木綿やウールや麻など自宅で洗える着物はほかにもありますが、それらはすべてカジュアルシーンでしか着用できません。

 

しかしポリエステル着物は、さまざまなデザインがありますから、正絹と同じようにフォーマルも存在します。

 

そして、ひとつ大切なことは、これは洋服でも同じことが言えますが、同じ繊維だからすべて同じ肌触りではないということです。絹の表示がされていても糸の良しあしがありますし、ポリエステルでも着やすいもの着やすくないもの、それぞれと感じるものがあるでしょう。

 

ここは着る人の感覚なので、まずは安易に決めつけないこと。

 

さらに、化学繊維の世界は日進月歩で商品の改良がどんどん進んでいます。

新しく使いやすい商品がリリースされる情報をネットなどで仕入れる、また口コミで使用感を知るというのも大切ですね。

 

化繊について、強い拒否反応を示す人は、大昔の商品しか知らない場合もあります。あと年齢が上がるにつれて、身体が怠けるというか、疲れやすくなってくると化繊がしんどいと感じることもあります。女性の場合、ホルモンバランスの変化などもありますので、体調によって着るものを使い分けることもあるでしょう。

 

たとえば、化粧品を買うとき、自分が敏感肌なのであれば、同じような体質の人の口コミが重要ですよね?

 

直接アドバイスを求めた相手や口コミを寄せてくれている人がどんな人なのかという情報も可能なかぎり知って、商品選びに活かしたいものです。

 

 

絹物のリサイクルについては、着物に慣れないうちはあまりオンラインで買わずに、出来る限り現物を見ることを心掛け、たくさんリサイクル着物店などで試着して、写真を撮ったりして着物の生地のバリエーションに慣れると欲しいものが見えてくると思います。

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

 

※対面レッスンしております
(マンツーマン・ペアレッスンのみ。)
 

鏡(全身鏡)は人数分ご用意して、距離を取っています。
 ドアノブや机類など室内のアルコール除菌を徹底しております。


レッスンでは、生徒様にもアルコール消毒、マスクの着用をお願いいたします。

 

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*ファストファッション全盛の時代、着物をいちから御仕立てするという感覚はないかもしれませんが、箪笥に眠っている着物は輝く文化の才能が隠居させられているようなもの。

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