京都の着付け教室 きものシャン 講師の原です。
着物の知識本の定番おすすめといえば
きもの文化検定公式教本 1&2です。
こちらをいつも大プッシュしていますが、いくらわかりやすいと言っても、1度読んでイッキに詰め込んで覚えられるわけでもないし、着物の種類の違いもそれほど明確に実感できない場合もあるでしょう。
これだけでは自分が着るイメージやストーリーを持たせることができないな、テンションあがらないなと思う方は、補助の資料にこちらをどうぞ♪ 小説の世界の描写とストーリーでいろんな着物のことがイメージしやすくなりますよ!
面白くて簡単に読めてしまう 林真理子さんの短編集 「着物をめぐる物語」です。
林真理子さん自身については、好き嫌いがはっきり分かれる方だとは思います。
("着物" "林真理子" で検索するとかなり批判のご意見が飛び交っておりますね。逆に私は貫いてはるというか、自然体ぶってない上昇志向がいつのまにかご自身の生身のキャラになっていかれたという強烈オモロい人だなと思っています。着ているものも生半可ではなく、高級品なのはもちろん、さすが作家さんだけあって着物の知識をちゃんと作品に生かしているのが素敵です。とてもマジメな目線... まあそれがないと作家さんにはなれませんよね^ ^)
彼女の着物本は読みやすいだけでなく
「フィクションのなかにきちんと着物の知識につながることが書かれている」
これが魅力です。これはまあ現代の小説の類にはありそうでないものです。
逆に 同じ林さんの著作「着物の悦び」のほうは、エッセイなのですが著者の意見について受け入れられないわって人には不向きです(前述のとおり、そういう人が多いそうです笑)
「着物をめぐる物語」は、フィクションだからこそ、ぐっと真に迫った表現があり、着物のイメージをつかむうえでも心に残りやすいと私は感じました。
ここに書かれているフレーズ、そのまま人に言っても、お、着物詳しい人だな!って思われる鋭い描写が満載。
この着物をめぐる物語 は、モノローグ形式で着物にまつわる物語を登場人物が語るというもの。
1話目は、友禅作家の親子のストーリーを通じて加賀友禅のコアな部分をしっかり学ぶことができます。
フォーマルものは着る機会も少ないでしょうし、カジュアル着物ユーザーには縁遠いかもしれませんが、着た人をいかに美しく引き立てるか、友禅作家のパッションを感じることができます。
2話目は、華やかなりし時代の「銀座のホステス」の物語。
銀座のママがそれぞれ個性を発揮してお店を盛り上げていた、そんな時代に彼女たちはどんな着物をきていたのか?
さりげない描写にドキッとしますし、リサイクル着物で彼女たちのお下がりに知らず知らず出会っているものがあるのかもなーと思いました。
3話目は、唐子の柄のお着物の話。
そんなこんなで第11話まで。
あっという間に読めてしまいます。
そしてまたすこし時間がったったらふと読みかえしたくなる本です。
出てくる着物の種類がわからなかったりしたら、またきもの文化検定公式教本から探ってみてください。
人気作家の本なので古本でも購入できます。100円コーナーなんかでも見かけるので、ぜひぜひお手元に置いておかれることをおすすめします。
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