祇園祭 宵々山
今日は、祇園祭の宵々山です。
夕方から雨が強く降ってきて、折角のお祭りが少し残念です。
京都の呉服の問屋が多く集まる室町辺りは、山や鉾が立ち並ぶ『鉾町』が多くあります。鉾や山が建つと、車は通行止めになりますし、昨日からは色々な露店が出たりして、鉾町界隈は日常の活動が全く麻痺してしまいます。
ですから、室町辺りの呉服問屋などは、早いところでは昨日くらいから平常業務はお休みになります。会社によっては自社の前で和雑貨や端布などを売っているところもありますが、多くは休業となります。
私のところは祇園祭と直接の関係はないのですが、取引先の多くがお休みになるので、明日は営業をお休みします。友人たちには、祇園祭で仕事が休みなんて考えられない、と言われますが、これも一つの室町の慣習です。
明日、雨が降らなければ宵山に繰り出したいと思っています。
今日はこの辺で。
ありがとうございました。
祇園祭
7月になり、京都の町は祇園祭です。
今日7月10日から、各鉾町では鉾立が始まりました。京都の町衆にとっては、血湧き肉躍るといった感じの気持のたかぶりがあります。
テレビなどのニュースでは、鉾立の様子を少しだけ放送したりしていますが(関西だけかもしれませんが)、実際の鉾立をナマで見ると、迫力がありますし、面白いです。
京都の人でもあまりご存じないかもしれませんが、鉾や山が建つ町内には、面白い仕掛けがあります。組み立てるときに道路に柱を立てるのですが、アスファルトの上だと重量で凹んだりするので、道路に礎石が埋め込んであります。また、背の高い鉾を建てる為に、道路の中に引っぱる為のウインチが埋めてあるところもあります。
普段通るときに、知っているとすぐにそれだとわかるのですが、知らない人にとっては見過ごしてしまうようなことですが、祇園祭の為だけに、公道の真ん中に設備が埋め込んであるというのは、さすがだと思います。
もちろんその他にも、提灯を建てる為の穴があちこちに空いていたり、お家の二階から鉾に乗れるように、窓や手すりが取り外せたり、色々な仕掛けがあって、それを見ているだけでも充分楽しめます。
14日からは大がかりな歩行者天国になるので、是非祇園祭にお越し下さい。
ただし、必ず浴衣を着て、来て下さい。お願いします。
今日はこの辺で。
ありがとうございました。
(去年の写真です。)
着物の生産量
昨日のブログで、着物の生産量が激減しているということを書いたので、もう少し具体的な様子をお話ししたいと思います。
染めの着物の素材となる白生地は色々な産地がありますが、表地に使われる物は、京都の丹後で織られる丹後ちりめんと、滋賀県の長浜で織られる長浜ちりめん(浜ちりめん)が、二大産地です。(裏地や襦袢地、帯地、夏物などは、また違った産地構成になります。最近では、外国で織られている白生地も少なくありません。)
生産量、商品種類ともに、長浜に比べると丹後が圧倒的に多いです。最盛期には、丹後で織られている白生地は、年間1000万反以上ありましたが、昨年度は50万反以下の生産量になっています。ピーク時に比べて、わずか5%未満しか生産されていないのです。5パーセントの減少ではなくて、95パーセントの減少ということです。
もちろん、輸入物が増えたり他の産地が増えたりといったこともないとは言えませんが、それも全体の割合から見ると、ごくわずかです。
これほどまでに白生地の生産量が減少していると言うことは、つまり、着物の生産量も同じように激減しているということです。
このことをどう考えるか、必要の無いものは減っていって当たり前ととらえるか、はたまた日本固有の文化をどうやって後世に伝えていくかを考えるべきなのか、私達着物に携わっている者にとっては大きな問題です。
でも私は、数量は減少しても後世に伝えていくべきものだと思っています。それも、文化とか伝統とかみたいに、日常から離れたものではなくて、日常生活の中での着物として、残していけたら良いなと思っています。
今日はこの辺で。
ありがとうございました。