東日本大震災の後、

  少しずつ、世の中が落ち着いてきた頃、

  東北を始めとして、

  おきもののお手入れや縫い直しの

  ご依頼が、増えました。

 

  その当時の世の中の状況を考えると、

  まだまだ、

  新しいおきものを購入することは、

  憚られるような空気がありました。

 

  しかし、お譲り物や

  お手持ちのお手入れやお直しのご依頼は、

  全国的に増えました。

 

  そして今、少しずつですが、

  おきものの縫い直しの

  ご依頼が増えて来ました。

 

  お母様が管理して下さっていたおきものを、

  ご自身のご寸法に直されたり、

  反物の状態のままだった

  (昔の方は、

  ふらっとデパートで特売されている

  長襦袢やおきものを、

  取り敢えず購入されて、

  箪笥にしまったままになっていたりの)

  お品を仕立てようと思って下さったり。

 

  有難いことです。

 

  何に致しましても、

  きものをお召しになろうと

  思って下さることが有難いことです。

 

  そして、ここへ来て、

  高校生が、冬休みと春休みを利用して、

  着付け教室へ入られました。

 

  とにかくおきものが大好きで、

  自分でお召しになれるように

  なりたいとの事です。

 

  有難いことです。

 

  全世界を見渡しても、

  自国の民族衣装を、

  自分で着られない国民は、

  おそらく、

  日本人だけだと思われます。

 

  私が、宮本家にお嫁に来た頃は、

  1年365日おきもので

  過ごされる奥様が、

  鎌倉には何人かおられました。

 

  そのような方は、

  ご自分で仕立て屋さんも抱えておられ、

  自分の体形に合った仕立てを

  してもらっておられました。

 

  ですから、鎌倉には、

  沢山の呉服の家業店がありました。

 

  多分、上客さんが数名いらっしゃれば、

  家族が食べていく事には、

  事欠かなかったのだと思われます。

 

  当時の当店も家業店で、

  そのようなお客様のお手入れや

  染め直しなどを承っていれば

  何とかなっていたのです。

 

  少しずつ、結婚式なども再開され、

  おきものお召し下さる機会も、

  増えてきています。

    

  是非、お手持ちのおきものを、

  ご活用いただき、まずは、

  お召しいただく所から、

  再開できましたらと思います。

  

  お問い合わせは、きもの蔵人みやもとまで。