この所、

  おきもののお仕立直しのお仕事を、

  承ることが多くなってきました。

 

  染め直しでも仕立直しでも、

  基本的に、

  寸法の違う方へのお直しの場合

  気を付けなくてはなりません。

    

  裄を出したり巾を出したりします時に、

  そのおきもののご購入時期が

  かなり前の場合、

  縫い代に入っている部分と

  出ている部分とで色が違っている場合や、

  縫い目に汚れが強く出ている場合があります。

  

  それ以前に、

  そのお着物の生地がとても弱っている場合や、

  袖の丸みの部分などが擦り切れて

  いるときがあるのです。

    

    

  解いて洗い張りをしてしまってから、

  ご希望の寸法になりませんというのは、

  プロとして許されないことですので、

  そこはきちんと確認してから、

  お受けしなくてはならないのですが、

  焼けや汚れは、

  解いて洗ってみないと解らない

  場合もあるのです。

 

  一応承る前に、

  少々解かせていただいて

  確認するようにいたしておりますが、

  場合によっては、

  焼け直しや汚れ落としが

  余分にかかってしまう場合があるということは

  ご了解いただかなくてはなりません。

 

  焼け直しとは、

  焼けてしまって色が

  薄くなってしまっているところと、

  縫い代の中に入っていて

  元の色のままの部分との境を、

  根気よく色を掃き合わせ

  はっきりわからなくすることです。

 

  また、汚れ落としは、

  読んで字のごとく、

  縫い代に沿って黒くなってしまっている

  ところの汚れを染み抜き致します。

 

  その度合いによって

  別途かかる費用が違ってきます。

 

  こちらは、

  お見積もりを取ることが出来ますが、

  直すおきものと同等のお品物を

  ご購入になるとしたら

  どの位かかるかと

  比較していただくことが必要かと思います。

 

  言い換えますと、

  それ程お気に召してないお品物の場合、

  それだけのお代をかけて

  お直ししてももったいないですし、

  お気に召すものであれば、

  少々お直し代がかかっても、

  ご購入されることを思いましたら、

  ずっとお得になります。

 

  私共も、拝見したときに、

  洗う以外に別料金がかかる

  可能性があるかどうかを

  きちんと見極められるように

  してまいりますが、

  基本的に、

  そのような場合もあるということを

  ご理解いただけましたら、

  有難いと思っております。

 

  何にいたしましても、

  お直しして、

  三世代にわたってお召しいただけるのが、

  おきものの本来の良さです。

 

  使い捨ての時代と逆行しておりますが、

  究極のエコだと思っております。

  

   お着物のご相談は、きもの蔵人みやもとまで