きものには、

  仕立てと言う行程が必ず必要となります。

 

  この仕立てをする人にも、

  年齢制限があります。

 

  まず、大切なのは、目です。

 

  目が悪くなると、縫い目が見えません。

 

  特に、黒地の物の仕立てには、

  目の良さが大変重要となります。

  

  喪服や黒留袖などがそれに当たります。

 

  特に夜になると、

  黒地の物の縫い目は

  見えにくくなってしまいます。

 

  あと、忘れ物です。

 

  仕立てをするときに、

  仕立て屋さんは、

  縫い針や待ち針を

  何本使っているかを確認しながら

  お仕立てをしますが、

  これを忘れる場合があります。

 

  当店も、昔は、

  店内でお仕立てをするスタッフを

  採用しておりましたが、

  今は、皆、

  ご自宅でお仕事をされる方

  ばかりとなっております。

 

  当店には、加工だしの手配や、

  出来上がり品の検品を

  するためのスタッフがおりますが、

  彼女は、

  仕立て上がりのお品物の寸法や

  出来栄えを確認すると共に、

  検針器をかけると言う仕事もしております。

 

  もちろん、

  仕立て屋さんご自身でも

  検針器をかけている人もおられますが、

  慎重には慎重をきして、

  当店でも再度検針器をかけます。

 

  たまにではありますが、

  ここで、針を発見する場合もあります。

 

  人のすることですから、

  失敗を皆無にすることは出来ません。

 

  特に急いでいる時ほど

  気を付けなくてはいけません。

 

  お客様にご迷惑をかけないようにするには、

  複数の人数での確認が大切で、

  繰り返し繰り返し、

  点検をすることが大切です。

 

  ただ、このお仕立て屋さんも

  高齢化が進んでおります。

 

  京都の仕立て会社にお仕立てを

  お願いするとなると、

  お客様から頂戴する以上の

  お仕立て代を支払わなければならないほど、

  お仕立て屋さんが減っているのです。

 

  たしかに、若い、

  仕立てのスピードも遅いお仕立て屋さんでも

  生活できなければ、

  仕立てを仕事にすることは出来ません。

 

  もちろん、機械化も進んでおり、

  ミシン仕立てや海外縫製と言う道を

  選んでいる小売屋さんも多くあります。

 

  しかし、当店では、そうは言っても、

  国内での手仕立てに拘りたいのです。

 

  そのためには、

  今いるお仕立て屋さんを大切にし、

  若いお仕立て屋さんも

  開拓していかなくてはなりません。

 

  丁稚制度が亡くなった日本で、

  仕立て屋さんも含め職人さんが

  育つ環境は、もう無いのかもしれません。

  

  お着物のご相談は、きもの蔵人みやもとまで